今日のカフェボンボンは、『天国旅行』。
『舟を編む』『まほろ駅前多田便利軒』などで人気の直木賞作家・三浦しをんの短編集。生と死のはざまの愛を描く7つの物語です。
『天国旅行』
著者:三浦しをん
出版社:新潮社
題名の『天国旅行』は、著者が好きなバンドTHE YELLOW MONKEYの曲からつけたもの。7つのストーリーは、心中や死をテーマにしている。でも、暗く救いのない物語ばかりではなく、人が死へ急ごうとする究極の状況に、ふっと希望がともる瞬間がある。
生と死のすき間に見える光。三浦しをんは、死を覚悟したものだけが知る闇と光を、短い物語の中で描き切る。
心中をめぐる小説や映画もいろいろあるけれど、私が思い出すのは『廃市』。ずっと昔に見た大林宣彦監督の映画です。
九州の水郷の町・柳川を舞台に廃れゆく旧家を描き、いつもとは雰囲気の違う小林聡美さんや根岸季衣さんが印象的でした。映画のなかで、心中のことを「道行き」といっていたのが心に残っています。
三浦しをんさんの作品は、以前ご紹介した『月魚』もよかったら。古書業界を舞台に描く、若き古書店の主人とその友人の物語。私のイチオシです!
Love, まっこリ〜ナ