今日のカフェボンボンは、石井好子の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』。
シャンソン歌手として過ごしたパリ暮らしの思い出と好きな料理をつづります。懐かしい映画のようなパリの風景もお楽しみください。
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
著者:石井好子
出版社:河出書房新社
本書で語られる料理にまつわるエピソードには、1950年代のパリの空気があふれていて、「バタ」や「ブドー酒」「キャフェ」なんていう、粋で古風な言葉の響きが新鮮です。
どんなに疲れていても、台所に入ると癒される。お酒など一杯入るとなおさら、誰かに食べさせたくなってこまごまと料理を始めるので、「料理上戸」と言われたこともあるそうです。
湯気の立ったチーズ・オムレツにノルマンディー風じゃがいも料理、玉ねぎのグラタンスープ・グラティネ……。パタたっぷりの食欲をそそる料理が次々と登場します。
冬の夜に欠かせないのはグラティネ。仕事帰りに仲間とキャフェで食べる夜食は“白ブドー酒と熱々のグラティネ”と決まっていました。
外国映画で見た女の人が豆の皮をむくシーンに感化されて、豆むきが好きになったという石井さん。ハミングでもしながら台所に立つようすが伝わってきます。
「こんな材料ではおいしいものがつくれるはずはないと思う前に、これだけのものでどんなおいしいものをつくってみせようかと考えるほうが幸福だと思う」石井さんの心意気を感じる言葉ですね。
パリの「朝時間」は、町でいちばん早起きのパン屋さん。
本のお供には、クロワッサンやブリオッシュをいかがでしょう?
Love, まっこリ〜ナ
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