奈良に来た一番の目的は、岡倉天心氏が発見した夢殿を観るためです。
秘仏公開は春と秋だけなのですが、
常時公開してあるところだけでも今年中に観ておきたかったのです。
本当に来てしまった法隆寺。
五重塔は教科書で見た通りの堅実的な佇まいでした。
飛鳥文化の粋がぎゅっと詰まった伽藍です。
そしていよいよ夢殿!
岡倉天心氏が夢殿をどんな気持ちで開けたのか想像するだけでワクワクしました。
隣に続く、中宮寺にもお邪魔しました。
聖徳太子の奥様が建てられたお寺です。
飛鳥彫刻の最高傑作とも言われるご本尊は女性らしい慈悲にあふれていました。
法隆寺は聖徳宗総本山でありますが、
聖徳宗というのは学問の仏様でありますので、
法要や葬儀などは行なわず、
聖徳太子の教えを広め、学ぶお寺として存在していると教えていただきました。
僧侶も12名ほどいらっしゃるそうで、大乗仏教をもとにして形作られた、
太子の日本的な宗教が受け継がれています。
ちょうど10時から説法が1時間ほどあると案内されたので参加しました。
住職が説明を加えながら読み進めていく、維摩經義りゅうの勉強会は毎日行なわれています。
今回は、小乗仏教と大乗仏教の違いがよく理解できました。
小乗仏教では梵がなければ悟った状態となります。悟った状態では体も想いも考えもない無の状態ですから、仏心が生まれてこない。
大乗仏教は煩悩があるから、思いやりや社会活動ができ、世のために役立つことができるという考えです。だからエゴがある人の方が却って仏心を起こす。これが大乗仏教の神髄だそうです。そして、自分は後からでもいくらでも悟れるから、悟る必要のある人をまず悟りに導こうとするのだそうです。
小乗仏教はラージャヨガっぽいな〜、
大乗仏教なんかは、皆を救おうとする精神がシバナンダヨガっぽいな〜と
ついついヨガに当てはめて考えてしまうのでした。
かれこれ3時間も滞在してしまった法隆寺見学なのでした。