朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『清張地獄八景』。
丸ごと一冊、松本清張を大特集。作品世界を案内するのは、清張さんに憧れるイラストレーター・エッセイストのみうらじゅんさん。小説、映画などの作品の魅力を解き明かした一冊、文庫新刊です。
『清張地獄八景』
編集:みうらじゅん
出版社:文藝春秋
因果応報、煩悩の果て、人間の業、それは地獄のサスペンス。悪さをすれば必ず清張地獄に堕とされて二度と助かることはない。そんな清張作品をみうらじゅんさんは「大人のホラー」だと語ります。
本書では、みうらさんならではの視点でホラー作家・松本清張の作品を「生き地獄」をテーマに案内。なかでも、因果応報の世界を描いた『ゼロの焦点』は、みうらさんのイチオシ作品です。ご自身が家庭を持ち守らなければいけないものができたときに読み返したそうです。すると「息が詰まるほどグッときた」。読む時期によって味わいが変わるのも清張作品の奥深さですね。
松本清張の小説はいつ読んでもものすごく面白いけれど、とくに混沌とした今の時期に読むと、登場人物たちの不安や焦り、得体の知れない怖さがより身近に感じられる気がします。不倫、二重生活、逃亡、失踪、崖っぷち、大豪邸、戦後どさくさ……。みうらさんが描いた清張八大(以上)地獄一覧も圧巻です。
ドロドロの愛憎劇を描く作品はもちろん、人間・松本清張も相当濃い。またかなり濃いめのキャラクターのみうらじゅんさんが、敬愛する清張作品を語り尽くすのだから、本の中身はものすごく濃い。なによりみうらさんのリスペクトがびんびん伝わってきて心に刺さる。みうらじゅんさんの魅力も全開です。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>