朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『おばんざい 春と夏』。
1960年代に刊行された「おばんざい」めぐる随筆集が、はじめて文庫化されました。生粋の京おんなで、京の料理や文化を紹介してきた三人の著者が、日々の暮らしと台所についてつづります。
『おばんざい 春と夏』
著者:秋山十三子/大村しげ/平山千鶴
出版社:河出書房新社
「トントン、トントン。隣さんからもトントン、トントン。夏の日の暮れには、きゅうりを刻む音が、どちらの台所からも聞こえてくる」(きゅうりとはも皮)
八月の夕方、台所に立つ人の姿が目に浮かぶ。食卓に並ぶ季節のおかずに、暑さで疲れたからだもほっと生き返ります。
おばんざいとは、京都の町家で食べられているふだんのおかずのこと。ぐじの酒むし、かやくごはん、おから、まめさん……。春夏編の本書では、三月から八月まで、四季折々のおかず六十種類を紹介しています。
京都の人たちは、昔から台所の歳時記を大切にしてきました。「季節との約束ごと」を守ることが暮らしの節目となった。そして、今日のごはんを明日へとつなげていったのですね。おばんざいをめぐる風習が、しっかりと暮らしに根付いていたことがよくわかります。
「質素なようで、その実、味にうるさく、ぜいたくなのが、京のおばんざいで、手間をかけることを惜しんだりはいたしません」京都の台所と暮らしを愛した著者の心意気が伝わってきます。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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