朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『短編画廊』。
現代アメリカを代表する画家、エドワード・ホッパーの絵画から生まれた一冊。著名な作家17人がホッパーの絵をモチーフに短編小説を紡ぎます。
『短編画廊 絵から生まれた17の物語』
編:ローレンス・ブロック/訳:田口俊樹 他
出版社:ハーパーコリンズ・ ジャパン
カフェのテーブルに座る帽子の女性。そこからもう物語がはじまっている。エドワード・ホッパーが切り取った一瞬から、時間が進みはじめます。
17点の絵に17名の作家が物語を書いた本書。呼びかけ人の作家ローレンス・ブロックをはじめ、スティーヴン・キング、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァー、ジョイス・キャロル・オーツらが、絵の中の人物たちのキャラクターを作り上げ、思いもかけない過去や秘密を描き出す。ニューヨークのアパートメントの一室にいる夫婦の会話は……。線路沿いのホテルで窓の外を眺める男と本を読む女の正体は……。その先には予想のつかない展開が待っていました。
「海辺の部屋」という絵から生まれた幻想的な一編にとても魅かれます。海に面した部屋のある家に住むのは、若き女主人とバスク料理を作るシェフ。家は一年ごとに部屋が勝手にひとつずつ増えていくという。人物のいない絵にこの謎めいた物語が不思議なほどしっくりきます。いつのまにか隣の部屋に女主人が入ってきて、赤いソファに腰をおろす。キッチンからはシェフの作る料理の匂いが漂ってくる——。
ホテルのロビー、映画館、ダイナー、オフィス。さまざまなシーンから生まれた物語。絵の人物の心の声や街のざわめきが聞こえてきます。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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