今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、吉本ばななの小説『スナックちどり』。
離婚した「私」と大切な人を亡くした従姉のちどりが二人で旅をする。イギリスの小さな海辺の町を舞台にした、心を静かに癒す作品です。
『スナックちどり』
著者:よしもとばなな
出版社:文藝春秋
ああ、疲れたな。前に進みたくないな。そんなときは、主人公の「私」のように旅に出たくなる。心をいったんリセットするために。自分を見つめるために。全てを受け入れてくれるちどりみたいな相棒が一緒なら、ちゃんと旅を終わらせてまた日常に戻れる気がします。
離婚して実家に戻った「私」と親代わりの祖父母を亡くしたばかりのちどり。二人が小旅行に出かけたのは、イギリスの西端にあるペンザンスという町でした。
朝ごはんがおいしいホテルに滞在し、海辺の静かな町で過ごすうち、さびしさが少しずつ癒えていく。心は静けさで満たされていきます。自分の悲しみとじっと向き合うのはとてもつらいことだけれど、そうしなければ次に進めないから。つらい時はひと休みして傷を癒す時間が必要だとこの物語が気づかせてくれます。
朝のシーンがとても美しい。光のあふれる部屋、真っ白いお皿で食べる朝食、温かい紅茶、波立つ海。ペールブルーの海の音をずっと聴いているような、そんな気配に満ちた物語です。
Love, まっこリ〜ナ
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