今日のカフェボンボンは、新刊『グリムの森へ』。
高村薫、阿川佐和子、皆川博子、中沢けいら、
8人の現代女性作家がグリム童話11篇を再話する。
異色のアンソロジーをお楽しみください。
『グリムの森へ』
著者:高村薫、松本侑子、阿川佐和子、大庭みな子、津島佑子、中沢けい、木崎さと子、皆川博子
出版社:小学館
個性的な作家たちが物語をつむぎ直すと、
グリム童話がひと味違ったものとなる。
阿川佐和子が語り部となった『いばら姫』は、
登場人物たちの会話も現代風にアレンジされる。
いばらの森へ入ろうか迷う若者は、
「怖いの、嫌いなんだよなあ」なんて言う。
いばら姫が目覚めるドラマチックなシーンも、
あっけらかんとユーモラスに描かれている。
「なんだかいっぱい寝ちゃったみたい」と無邪気な姫。
おどろおどろしくないグリムもなかなか新鮮です。
語り口によって、いにしえの異国の物語が、
身近な話として感じられます。
高村薫の『ブレーメンの音楽隊』、皆川博子の『青髭』など、
美しい「一枚絵」とともに楽しめる一冊です。
Love, まっこリ〜ナ