今日のカフェボンボンは、『なかないで、毒きのこちゃん』。
チェコを代表する画家が描く、森の娘と生きものたちの物語。森が育む命の喜びに満ちたストーリーです。
『なかないで、毒きのこちゃん 森のむすめカテジナのはなし』
作:デイジー・ムラースコヴァー/訳:関沢明子
出版社:理論社
草の中でキノコが泣いています。真っ赤な頭の毒キノコ、ベニテングタケです。
なかないで、毒きのこちゃん。あんたみたいにきれいな赤色のキノコって、森にはいないわ。キノコをなぐさめているのは、少女カテジナでした。
カテジナは森のそばにすむ猟師の娘で、父親譲りの「緑色の血」をもっていました。森を自由に歩きまわって、動物たちと言葉を交わします。
「やあ、カテジナ」「あ、ウサギくん。ね、聞いてくれる? 地球は丸いんだって」「それがなにか?」
「コウモリってどんな習性があるの?」「すきなものは暗やみ、月、星」「それから?」「静けさ、秘密」こんな調子でね!
カテジナの「朝時間」は、森で白い子鹿と出会った日。カテジナは子鹿にアカツメクサの冠を編んであげます。
木々のざわめき、銀色の小川、激しい夕立。青いリンドウの野原、夜の静寂。チェコの深く美しい森が輝いています。
以前ご紹介した『かえでの葉っぱ』もムラースコヴァーさんの作品です。こちらの絵はプラハ在住の画家・出久根育さん。素晴らしい絵本です。
Love, まっこリ〜ナ