今日のカフェボンボンは、谷崎潤一郎の『刺青・秘密』。
著者の希有な才能がほとばしる初期の作品集です。
『刺青・秘密』
著者:谷崎潤一郎
出版社:新潮社
谷崎潤一郎といえばこの赤い本。きらびやかな表紙と作品とが分ちがたく結びついている。『刺青(しせい)』は、谷崎の処女作。何度読んでもこわくてゾクゾクしてしまう。
腕利きの若い刺青師の心に潜む人知れぬ快楽は、針に肌を突き刺された男たちが痛みに苦しみもだえること。彼の真の願いは、美しい女の柔肌に魂を彫り込むことだった。
しかし、ただ美しい顔と肌のみだけでは満足できない。彼の「気分にかなった味わいと調子」を満たす女とは? そして、刺青師の究極の欲望の果てにあるものは……。
この刺青師もおそろしい男だけれど、女がまたすごいの! 凄みを感じます。
谷崎がどこまでも絢爛に描く禁断の世界。きらびやかさに惹かれて本を開けば、もう二度と、こちらに戻ってこられないかもしれません・・・。
Love, まっこリ〜ナ