今日のカフェボンボンの本棚は、『とにかくうちに帰ります』。
職場を舞台に小説を書く津村記久子が、働く人たちの日常をすくいとった小説集。職場にそういう人いるいる!そうそう、会社で働くってこういうこと!ひとつひとつのシーンに励まされる一冊です。
『とにかくうちに帰ります』
著者:津村記久子
出版社:新潮社
会社員・鳥飼早智子。彼女の職場の同僚たち、定年間近の上司や心優しい先輩社員との結びつきは「会社」という枠の中でのもの。
ある一定の距離を保って毎日を過ごしているけれど、何かふとしたことがきっかけとなって、その距離感がぐっと縮まることがある。同僚の違う面にある日突然気づいたり、もう我慢ならない!となったり。
文房具を返してくれないズボラなおじさんや自分は仕事ができると忙しぶる人、さまざまな人物が登場する。それが会社というものだけど……。
表題作の「とにかくうちに帰ります」は、豪雨の中を職場から帰宅するストーリー。交通機関も停止しそうな金曜日。早く帰らなくちゃと気ばかり焦る。うちに帰り着いたら、あったかいお茶を飲みたい。とにかく家に帰りたい。
そんなやりきれない日もあるけれど、やっぱり明日も会社に行こう。そう思える本、読後に心が温かくなります。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>