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『昨夜のカレー、明日のパン』悲しいのに幸せな気持ちに包まれる感動作

 

今日のカフェボンボンの本棚は、『昨夜のカレー、明日のパン』

人気夫婦脚本家・木皿泉の感動作、待望の文庫化です。若くして夫を亡くした嫁と今も共に暮らす義父の物語。心にしみます。

20160205
昨夜のカレー、明日のパン
著者:木皿泉
出版社:河出書房新社

夫の一樹が入院する病院からの帰り道を、テツコと一樹の父・ギフは二人きりでよく歩いた。ある日、暗い夜道の先に見えたパン屋の明かりが疲れきった二人の心に灯をともす。

それはテツコが「悲しいのに幸せな気持ちにもなれるのだ」と知った時。テツコとギフは焼きたての温かいパンをかわりばんこに抱いて帰ったのだった。

7年の月日が流れ、テツコとギフの暮らしにも少しずつ変化が訪れる。幸せな気持ちを受け入れたら大切な何かを失ってしまうようで、前に進めない、今のままでいい、でも……。

ためらいながら迷いながら、誰もがその境界線を行ったり来たりしている。だから自分を物語の誰かに重ねてしまう。

気象予報士のギフと一樹の幼なじみが一緒に夜空を見上げるシーンがいい。何度もこの場面を読み返しています。スガシカオの『真夜中の虹』を聴きながら。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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