今日のカフェボンボンの本棚は、『昨夜のカレー、明日のパン』。
人気夫婦脚本家・木皿泉の感動作、待望の文庫化です。若くして夫を亡くした嫁と今も共に暮らす義父の物語。心にしみます。
『昨夜のカレー、明日のパン』
著者:木皿泉
出版社:河出書房新社
夫の一樹が入院する病院からの帰り道を、テツコと一樹の父・ギフは二人きりでよく歩いた。ある日、暗い夜道の先に見えたパン屋の明かりが疲れきった二人の心に灯をともす。
それはテツコが「悲しいのに幸せな気持ちにもなれるのだ」と知った時。テツコとギフは焼きたての温かいパンをかわりばんこに抱いて帰ったのだった。
7年の月日が流れ、テツコとギフの暮らしにも少しずつ変化が訪れる。幸せな気持ちを受け入れたら大切な何かを失ってしまうようで、前に進めない、今のままでいい、でも……。
ためらいながら迷いながら、誰もがその境界線を行ったり来たりしている。だから自分を物語の誰かに重ねてしまう。
気象予報士のギフと一樹の幼なじみが一緒に夜空を見上げるシーンがいい。何度もこの場面を読み返しています。スガシカオの『真夜中の虹』を聴きながら。
Love, まっこリ〜ナ
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