【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.10 期待していたのは

 

Vol.10 期待していたのは・イメージ

もしかして、誠士?
と一瞬でも思った私は、やっぱり薄情な女だ。

相手は、まだ返信していない雪乃からだった。特に怒った様子もなく、

「今から時間あるんだけど、飲みにでもいかない?」

わたしが返信をしなかったくらいで、友情が壊れるはずないと分かっていながらも、後ろめたさを感じていた私には、嬉しいお誘いだった。

「かんぱーい」

「わたしたちもいつまでさ、こうやって気ままに飲んでられるのかな」

「ホントだよね、さよも晴子も結婚しちゃったしね。しかも、さよは2人目妊娠だよ・・・」

「正直こんなに自分が友達の状況に焦ると思ってなかった」

奔放な雪乃からこんな発言があると思わなくて少し意外だった。

「雪乃は大丈夫でしょ、1人だって楽しそうだし」

そんな刺激的な言葉と思わなかったから話を続けた。

「私なんて、何にもないよ。般職だし、趣味がフラワーアレンジメントとか言ってるのもぉ、朝時間のサイトでさ、朝に水換えや水やりをすると気持ちがリセットされるってインタビュー読んで。そこにあった写真がめちゃくちゃ素敵だったんだけどさ、でも、ぜーんぜんダメ、今日だって二度寝して遅刻」

ちょっと酔っぱらってしゃべりすぎた。雪乃の反応がない。

え、雪乃?泣いてる?

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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