今日のカフェボンボンは、旅先で読みたい本第三弾。
随筆家でイタリア文学者・須賀敦子のエッセイ。イタリアで暮らした日々をつづった『トリエステの坂道』を。
『トリエステの坂道(須賀敦子コレクション)』
著者:須賀敦子
出版社:白水社
『トリエステの坂道』
著者:須賀敦子
出版社:新潮社
『ミラノ 霧の風景』『ヴェネチアの宿』『ユルスナールの靴』……。須賀敦子さんの本ならどれを選んでも旅にはぴったりだと思う。
本書を選んだのは“トリエステ”という言葉の美しさと、この港町から始まるエッセイが、旅の始まりにふさわしい気がしたから。
アドリア海の町トリエステは、イタリア人の夫と一緒に読んだ詩人の故郷だった。坂道を歩きながら、著者は詩人と夫の記憶を重ね合わせる。短かくも穏やかだったミラノでの結婚生活、喜びや悲しみを共にした家族との思い出がつづられています。
愛情に満ちた率直な文章で描き出されるイタリアの暮らし。1960年代当時の異国の地がとても身近に思えてきます。表題作のほか「ヒヤシンスの記憶」「雨のなかを走る男たち」「セレネッラの咲くころ」など12篇を収録しています。
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