今日のカフェボンボンは、昨日に引き続き、北欧の美しい島の物語を。夏の喜びがつまった本をお届けします。
『わたしたちの島で』
著者:アストリッド・リンドグレーン/訳:尾崎義
出版社:岩波書店
スウェーデンの小さな緑の島で、夏休みを過ごす家族の物語です。『長くつ下のピッピ』や『ちいさいロッタちゃん』の作者アストリッド・リンドグレーンが、子どもたちの夏の日々を生き生きと描き出します。
ウミガラス島に初めて上陸した日から、メルケルソン一家は島の生活を愛し、古ぼけた小さな別荘を居心地のよい家に変えていきます。
家族の中心は十九歳のマーリン。弟たちの母親代わりで、子供っぽい父親の世話から家事まですべてを引き受けています。やんちゃな弟たちと頼りない父親に細やかな愛情を注ぐマーリンを好きにならずにはいられません。
一家の子どもたちは島の子たちとすぐ仲良くなって、島じゅうを探検し、海で泳ぎ、魚釣りをして遊びます。秘密基地を作り、夜は屋根裏部屋で眠る。子どもにとってこれ以上の幸福はない……。
ウミガラス島の「朝時間」は、庭のテーブルの上の壺に入ったマーマレード。庭で食べる朝食は夏の味。甘いジャムに飛んでくるハチの羽音が聞こえてきます。
やがて長い夏休みが終わるとき、楽しい夏が過ぎ去るもの悲しさが心に響きます。1964年に書かれた物語が、時代も国の違いも超えた感動をもたらしてくれます。
Love, まっこリ〜ナ
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