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リンドグレーンが贈る夏の本『わたしたちの島で』

 

今日のカフェボンボンは、昨日に引き続き、北欧の美しい島の物語を。夏の喜びがつまった本をお届けします。

20130725

わたしたちの島で
著者:アストリッド・リンドグレーン/訳:尾崎義
出版社:岩波書店

スウェーデンの小さな緑の島で、夏休みを過ごす家族の物語です。『長くつ下のピッピ』や『ちいさいロッタちゃん』の作者アストリッド・リンドグレーンが、子どもたちの夏の日々を生き生きと描き出します。

ウミガラス島に初めて上陸した日から、メルケルソン一家は島の生活を愛し、古ぼけた小さな別荘を居心地のよい家に変えていきます。

家族の中心は十九歳のマーリン。弟たちの母親代わりで、子供っぽい父親の世話から家事まですべてを引き受けています。やんちゃな弟たちと頼りない父親に細やかな愛情を注ぐマーリンを好きにならずにはいられません。

一家の子どもたちは島の子たちとすぐ仲良くなって、島じゅうを探検し、海で泳ぎ、魚釣りをして遊びます。秘密基地を作り、夜は屋根裏部屋で眠る。子どもにとってこれ以上の幸福はない……。

ウミガラス島の「朝時間」は、庭のテーブルの上の壺に入ったマーマレード。庭で食べる朝食は夏の味。甘いジャムに飛んでくるハチの羽音が聞こえてきます。

やがて長い夏休みが終わるとき、楽しい夏が過ぎ去るもの悲しさが心に響きます。1964年に書かれた物語が、時代も国の違いも超えた感動をもたらしてくれます。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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