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ムーミンの作者が描く、フィンランドの美しい夏

 

今日のカフェボンボンは、『少女ソフィアの夏』

フィンランの夏の小島を舞台にした祖母と孫娘の物語。ムーミン童話の作者トーベ・ヤンソンが愛情を込めて描いた美しい作品です。


20130724

少女ソフィアの夏
著者:トーベ・ヤンソン/訳:渡部翠
出版社:講談社

舞台はフィンランド湾に浮かぶ岩の島。ソフィアとパパとおばあさんの3人は、この島でひと夏を過ごします。ひと夏といっても初夏から晩夏までのほぼ4か月間を「夏の家」で暮らすのです。

母親を亡くしたばかりのソフィアは、風変わりなおばあさんと強いきずなで結ばれていきます。年が七十も離れているのに、おばあさんとソフィアは友だちのように対等です。森や海で秘密めいた遊びをし、思うままに怒りをぶつけ合ってけんかする。

こんなにも率直な友情は、島の素朴な暮らしのなかでこそ生まれるのだと思います。家族だけの小さい島では、虚飾なんてものもいらないのだから。

いっせいに花を咲かせる植物、深緑色の海、島を洗い流す嵐。物語を彩る北欧の夏は生命感にあふれ、心にしみわたるようです。

おばあさんとソフィアの「朝時間」は、岬の突端へ出かけた朝。
島全体がもやに包まれた7月の朝です。

ソフィアがお母さんを亡くしたことに直接触れる場面はほとんどありませんが、その悲しみを島の豊かな自然とおばあさんがそっと包み込みます。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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