今日のカフェボンボンは、『あまんきみこ童話集』。
あまんきみこ12作品を厳選したアンソロジー。国語の教科書で読んだ『白いぼうし』や『おにたのぼうし』が忘れられないという方も多いかもしれませんね。あの頃の懐かしい時間がたくさんつまった物語をお楽しみください。
『あまんきみこ童話集』
著者:あまんきみこ
出版社:角川春樹事務所
小さな町の郵便局に届いたのは、天の町ゆきの手紙。封筒の裏には男の子の名前がありました。でたらめな宛先だと思い困った郵便局長さんは、手紙を返そうと少年の家を訪ねるのですが……。
「天の町やなぎ通り」は、無邪気な男の子と事情を察した局長さんの心に胸がつかれるお話です。
透明感のあるやさしさが心にしみる作品ばかりですが、「北風をみた子」はファンタジックな色合いを持ちながらも、生きるための力強さを感じる傑作です。母を亡くし、祖母と父と明るく生きる少女キクは、著者自身の体験を反映しているといいます。
ある日、キクはころんで泣いている女の子を助けます。若い女の人が走ってきて「いたいの いたいの とんでいけー」と女の子におまじないをします。
すると、時間が透き通った水のように流れて、小さなキクが昔の場所に立っている。キクの死んだお母ちゃんの声、おまじないをしてくれたあの声が聞こえてきます。
キクの「朝時間」は、笑いながら目覚めた朝。
いい夢は明日の朝まで大事にしもうとくんや。おばあさんがキクに教えてくれました。
野ねずみにピアノの調律を頼まれたおじさんの不思議な体験を描く「野のピアノ 野ねずみ保育園」「海うさぎのきた日」「さよならのうた」などの作品を収録しています。
Love, まっこリ〜ナ