今日のカフェボンボンは、満月の日にちなんだ本を。
アメリカの絵本作家・バーバラ・クーニーが、美しいかごを作る人たちを描いた傑作絵本です。
『満月をまって』
文:メアリー・リン・レイ/絵:バーバラ・クーニー/訳:掛川恭子
出版社:あすなろ書房
ニューヨーク州のハドソンから近い山間に、芸術品のようなかごを作る人たちがいました。かご作り職人たちは、かごができあがると、ハドソンの町に売りに行きます。
「ぼく」の父さんが町に行くのは満月の日と決まっていて、次の満月までのあいだに、トネリコの木でかごを編むのです。小さいぼくは、いつか父さんとハドソンに行くのを夢見ていたのですが……。
月の光に包まれた深い森に、ぽつんと佇む小さな家。父を見送る母子のシルエット。煙突から一筋の煙が立ち上り、月にかかる雲に溶けていく。星の瞬きや夜の鳥の鳴き声、つつましやかな夕食の匂いまでが感じとれる一枚の絵です。
風の呼ぶ声、山の木の声、木の葉のあいさつ。聴こうとする者にだけ届く音。かご作りは自然が教えてくれる。
ぼくの「朝時間」は、風が名前を呼んでくれた朝。
耳を澄ませ、山や風の声を聴く者だけが、美しいかごを作ることができるのでしょう。骨太な物語と心をとらえて離さないクーニーの絵が、かご作りの人たちが子どもに伝えた大切な心を、そっと教えてくれます。
父さんが満月の日に町へ行くのは、帰りが遅くなっても、月が道を照らしてくれるから。
東京の冬の夜空も星と月が煌々と輝いて本当にきれい。
今夜は満月が見られそうですね!
Love, まっこリ〜ナ