今日のカフェボンボンは、満月の日にちなんだ本を。
アメリカの絵本作家・バーバラ・クーニーが、美しいかごを作る人たちを描いた傑作絵本です。

20130127

満月をまって
文:メアリー・リン・レイ/絵:バーバラ・クーニー/訳:掛川恭子
出版社:あすなろ書房

ニューヨーク州のハドソンから近い山間に、芸術品のようなかごを作る人たちがいました。かご作り職人たちは、かごができあがると、ハドソンの町に売りに行きます。

「ぼく」の父さんが町に行くのは満月の日と決まっていて、次の満月までのあいだに、トネリコの木でかごを編むのです。小さいぼくは、いつか父さんとハドソンに行くのを夢見ていたのですが……。

月の光に包まれた深い森に、ぽつんと佇む小さな家。父を見送る母子のシルエット。煙突から一筋の煙が立ち上り、月にかかる雲に溶けていく。星の瞬きや夜の鳥の鳴き声、つつましやかな夕食の匂いまでが感じとれる一枚の絵です。

風の呼ぶ声、山の木の声、木の葉のあいさつ。聴こうとする者にだけ届く音。かご作りは自然が教えてくれる。

ぼくの「朝時間」は、風が名前を呼んでくれた朝。

耳を澄ませ、山や風の声を聴く者だけが、美しいかごを作ることができるのでしょう。骨太な物語と心をとらえて離さないクーニーの絵が、かご作りの人たちが子どもに伝えた大切な心を、そっと教えてくれます。

父さんが満月の日に町へ行くのは、帰りが遅くなっても、月が道を照らしてくれるから。

東京の冬の夜空も星と月が煌々と輝いて本当にきれい。
今夜は満月が見られそうですね!

Love, まっこリ〜ナ

 

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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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