今日のカフェボンボンのおすすめは、『ソナチネの木』。
詩人で童話作家の岸田衿子さんの代表作。愛するものをうたう喜びにあふれた詩集です。
『ソナチネの木』
著者:岸田衿子/絵:安野光雅
出版社:青土社
もしも“幸福な本”があるとするなら、『ソナチネの木』はきっとその一冊にあげられるでしょう。
この季節は あかるすぎて
文字が読めないから
水の底の小石の数を かぞえよう
えのころ草の穂をしらべよう
それから小鳥や貝殻や水たまり……。自然が生んだ美しいもののなかでも、著者がとりわけ愛おしく感じたものたちがうたわれています。人間の作った素敵なもの、楽器や絵の具や風船も。
安野光雅さんの遊び心あふれる絵に四行詩が踊ります。ひらがなと漢字がバランス良く配列された文字が、まるで絵の一部のように見えてきます。
『ソナチネの木』の「朝時間」は、草色の風が吹いている朝。
本のお供には、ローズマリー・ティーをいかがでしょう。すっきりとした香りが朝にふさわしいお茶です。
詩の意味を考えるより、次々浮かぶイメージを楽しむのが本書の醍醐味かもしれません。『たいせつな一日』も合わせてご覧ください。
Love, まっこリ〜ナ