今日のカフェボンボンのおすすめは、岸田衿子さんの詩集『たいせつな一日』。
大事な一日の始まりに本を開けば、きっと心にしみる一篇が見つかります。
白い花に埋まった
高原にやってくると
地球のまるみに きがつく
「移る季節」の一節です。岸田さんは一年のほとんどを北軽井沢の山荘で暮らしていました。山の上の自然から生まれた言葉に、風や光や花の清らかな息吹が宿ります。
この詩集の「朝時間」は、「たいせつな一日」の最初の一節より。
出さなかったハガキが
気になる日には
ハガキよりも もっと遠くへ
出かけてみよう
岸田さんの詩を読んでいると、行く先を決めずにどこかに行ってみたくなる。路線バスや電車に乗って、知らない町で降りてみる。昔はいつもそんなふうだったこと、思い出しました。
『たいせつな一日』
著者:岸田衿子/絵:古矢一穂/選:水内喜久雄
出版社:理論社
詩人で童話作家の岸田さんは、アニメの『アルプスの少女ハイジ』や『あらいぐまラスカル』の主題歌も作詞しています。妹は女優の岸田今日子さんです。
本のお供には、葡萄ジュースをいかがでしょう。急ぎすぎていると感じたら、この本を手にとってみてください。上の写真は、夏の朝の木立。たいせつな一日の始まりに。
Love, まっこリ〜ナ