人気銅版画家の山本容子の新刊は、『京都遊び 三十三景』。
花のように美しい銅版画とエッセイでつづる京都案内です。『源氏物語』など古典の制作を通し京都と深く向き合う著者が、大人の京都遊びに誘います。
『京都遊び 三十三景』
著者:山本容子
出版社:朝日新聞出版
色とりどりの京都です。本から色彩があふれ出しそう!
猫しかいないようなひっそりとした路地(ろーじ)があでやかに色づくと、まるでイタリアのにぎやかな下町みたい。着物のご婦人もウエイトレスのお姉さんも足どり軽く、“おこしやす”というよりは“チャオ!”な雰囲気。イノダコーヒ本店さえトラットリア風にみえてきます。
著者は散歩道のあちこちに“京都の色”を探します。老舗の針屋さんで、セルロイドのお針箱に、針山やマチ針などを絵を描くように詰めてみる。赤の道具ばかりを選んだら、微妙な色調の違いが思いがけないほどに際立った。赤のグラデーションで彩られたお針箱の華やかさといったら!
祇園のちょうちんの色は、絵では厳しい組み合わせなのに、京都の街並にはよく似合う。舞妓さんの花かんざし、ゼリーや箱寿司の色にも独特の美意識を見つけながら……。色を楽しむのも粋な京都遊びですね。
京都の「朝時間」は、宝が池公園の静かな朝。
本のお供には、「スマート珈琲店」にちなんで、昔懐かしい味のホットケーキをいかがですか。
Love, まっこリ〜ナ