座るべきか座らないべきか…バスや電車にある「優先席」のマナー

 

おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。

マナーや心の在り方を知って好印象な自分になる!すぐに実践できるコラムを、毎週火曜日にお届けしています。

今週のテーマ:バスや電車で迷いがち…「優先席」のマナー

公共の交通機関や待合室、ロビーに設置されている「優先席」。空いていた場合、あなたは座りますか?それとも座りませんか?その時の状況によって違うかも…という方が多いかもしれませんね。

今回は、電車やバスによくある「優先席」のマナーについて一緒に考えてみましょう。

優先席

「優先席」はいつ始まったの?

優先席が登場したのは、約50年前。1973年9月15日(敬老の日)に、東京都のJR中央線と静岡県の伊豆箱根鉄道に、高齢者と障がい者の専用席として「シルバーシート」という名前の座席が誕生しました。

ちなみに、この「シルバー」は「高齢者を指す色」と思っている方が多いかもしれませんが、もともとは余っていた新幹線0系車両の座席シートの灰色(シルバーのようなグレー)の布を使ったため、その色を表して「シルバーシート」となったそうです。

その後、シルバー=白髪という印象であり、優先席を「高齢者専用と思われやすい」という理由で、1993年に京王電鉄が「優先席」に変更。それに続いて、他の鉄道会社も変更していきました。

お年寄りや障害のある方だけでなく、怪我をしている方や体調が悪い方、妊婦さん、小さな子どもを抱いた親御さんなども優先席の対象とされています。

優先席

優先席が空いていたら座っていいの?

優先席

辞書を見ると、「専用」は、その人だけが使用することで、「優先」はほかの何よりも先にそれをする様子とあります。

「子ども専用」とあれば子ども「だけ」しか使えず、「子ども優先」とあれば、他に使用したい子どもがいなければ、大人も使用して問題はない、ということになりますね。

ということは、優先席は「優先」なので、対象となる座りたい方がいなければ、誰でも座って良いということになります。

(ちなみに、札幌市営地下鉄では、全国で唯一「専用席」を設置しているそうです)

「心遣い」を大切に

電車の車内

では、ここで「心遣い」という視点で考えてみましょう。

対象の方が来るまで座る、というのは間違いではありませんが、例えば心臓などに病気を抱えている方や、妊娠初期の妊婦さんなど、見た目ではわからない対象者もいらっしゃいます

そのような方が「譲ってください」とは言いづらいこともありますね。

「たとえ空いていても、優先席には座らない」と考えている方は

  • 見た目では対象の方かどうかわからない
  • 車内がいつ混んでくるかわからない

という理由で、座らないことを選ぶようです。

対象の方が来た時にスムーズに座れるよう、常に空けておくというのは、まさに心遣いのあふれる、思いやりのある考え方といえるのではないでしょうか。

ただ、混雑している時など、優先席を空席にせず誰かが座った方がよい場合もあります。けれど、そんな時にスマホに夢中になったり、寝てしまったりしていると、混雑の状況に気づけませんし、観察力や想像力も働きません。

優先席に座る、座らないにかかわらず、公共の空間では周囲の様子に気を配れることが大切なマナーと言えるかもしれませんね。

席を譲ってもらった時は?

どうぞ

遠慮したり、自分は対象ではないと思ったりして、せっかく席を譲ってもらってもお断りをしている方を見かけます。

譲ってくれた方は、少なからず勇気を持って声をかけたはず。そのことを考えると、ありがたく好意を受け取った方がお互い気持ち良く過ごせるかもしれませんね。

また、降り際にひとこと感謝の気持ちを伝えられると、印象も気分も良くなりますよ。

三角折りは正解 or 間違い?「トイレ」使い方マナー3つ

外国の方から「日本のトイレはキレイ」と定評があるようですが、あなたは自信を持って「トイレをキレイに使えている」と言えますか?

今回は、誰にも見られない空間だからこそ心遣…

記事を読む

まとめ

お伝えしたとおり、優先席については、優先の対象となる方は明示されているものの、対象外の人が座っていいかどうかについて、絶対のルールはありません。

「必要とされている方に席をお譲りください」という言葉をどう解釈するかは、その人次第となります。

だからこそ、どうしたらお互い様の気持ちで過ごせるかを考えた行動ができるといいですね!

それでは、また次回!Have a ごきげん day!

☆このコラムは【毎週火曜日】更新です。次回もお楽しみに!

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

毎日ごきげん!心地よく暮らすためのマナーレッスン

マナー講師 林慶子さんの「毎日ごきげん!心地よく暮らすためのマナーレッスン」
Written by

林 慶子(マナー講師)

(好印象マナー講師)

福岡県出身。イギリスの幼稚園や小学校で日本文化を教えるインターンシップに参加後、こども英会話スクールマネージャー、アウトソーシング会社で新卒採用業務などの経験を経て、ANA客室乗務員として約11年勤務。
国内・国際線チーフパーサーや、国際線ファーストクラスを担当。インストラクターとして各種訓練に従事。在職中に心理カウンセラーの資格を取得。
ANA退職後、今まで培った経験と心理カウンセラーの資格を活かし、『好印象マナー講師』として起業。
LIFE JEWELER=人生を輝かせる人 として、カタチだけではなく心遣いを伝えるためのマナー、周りの人だけではなく自分もHappyになるマナーをコンセプトに、研修・講座を開催している。
【HP】https://lifejeweler.net/
【Instagram】https://www.instagram.com/life.jeweler/

連載記事一覧

朝美人スタイルの人気ランキング