おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。
マナーや心の在り方を知って好印象な自分になる!すぐに実践できるコラムを、毎週火曜日にお届けしています。
今週のテーマ:心がけたい。美しい「言葉の使い方」
近年、「引き寄せの法則」や「アファメーション」という言葉をよく耳にするようになりました。言葉の「言」は、「事」と同源だそうです。
「言」として表現することで、「事」が実現する、すなわち、「発した言葉が未来をつくる」という考えは、最近流行りだしたものではなく、遥か昔から存在していたのです。
日本ならではの言葉の美しさとは
その昔、日本では
美しい心から生まれる正しい言葉は、その言葉通りの良い結果を実現し、逆に、乱れた心から生まれる粗暴な言葉は、災いをもたらす
と信じられていました。私たちのご先祖様は、日本を「言霊の幸(さき)わう国(言霊が栄えさせている国)」と呼んでいたそうです。
約1,300年前に編纂された日本最古の歌集『万葉集』の中にある、柿本人麻呂の歌にも
しきしまの 大和の国は 言霊の 幸わう国ぞ ま幸くありこそ
とあり、これは
この日本の国は、言霊、すなわち言葉が持つ霊的な力によって幸せになっている国です。これからも平安でありますように
という意味で、昔の人がいかに言葉の力を信じ、大切にしてきたのかがわかります。
大人気のドラマ「JIN -仁- レジェンド」をご覧になった方も多いと思います。あのドラマの最終回では、咲さんが南方先生への手紙にしたためた言葉「お慕い申しておりました」や、南方先生からの告白を「一番きれいな夕陽をいただいた」と表現した一文など、なんて美しい日本語なんだ、と心を動かされた方も多かったようです。
私たちの祖先が作り出した生粋の和の言葉として「大和言葉」があります。昔の人が使う言葉を聞いて、なぜか心が和むのは、言葉を大切に使う精神が表れているからなのでしょうね。
現代の言葉でも「いただきます」や「こちそうさま」は、食事を作ってくれた人だけではなく、太陽や雨、植物や動物など、すべてに感謝する日本独特の言葉です。
また、「行ってきます」→「行って必ずあなたの元に帰ってきます」、「行ってらっしゃい」→「行って必ず帰ってらっしゃい」と、祈りを込めた言葉もあります。
美しい言葉の感性を磨こう
現代では、SNSなどで心地の良くない言葉を見かけることが多くなりました。
同じことを表すにしても、表現のしかたにはいろいろな方法があります。
例えば、結婚式では、「切る」「割れる」などの忌み言葉を避け、別の表現に変えますよね。これは、相手への気遣いや思いやりが表れたものです。
丁寧な美しい言葉を使うことで、相手の心を和ませるだけではなく、自分の心も豊かになり、品格へと繋がるのではないでしょうか。
インターネットやSNSが普及して、誰しも気軽に発信できる場が増えた今こそ、言葉を「美しい」「心地よい」と感じられる感性を磨き、それを選んで使えるようになりたいですね。
それでは、また次回!Have a ごきげん day!
☆このコラムは【毎週火曜日】更新です。次回もお楽しみに!