連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みテーマは…「目覚めにくさ」の理由と対策〜後編〜
(お悩み)いつも通り7時間程度眠っても冬の朝はなかなか起きられず、日中眠気に悩まされることも。寒くなるとなぜ良く眠れないのでしょうか?また、冬でも目覚めやすい日と目覚めにくい日があります。その理由と対策は?
※前編「ちゃんと寝たはずなのに…冬の朝起きるのがつらい理由って?」 >> https://asajikan.jp/article/195254
眠りのリズムに合わせれば目覚めは変わる!
同じように生活しているつもりなのに、目覚めやすい日と目覚めにくい日がありますよね。これは、私たちの「眠りのリズム」に原因があります。
一般的に私たちの体は、眠ってしばらくすると眠りがグッと深くなります。いわゆるノンレム睡眠と言われる、大脳がしっかり休息する時間に入ります。
ノンレム睡眠とは
ノンレム睡眠は徐波睡眠とも言われ、脳波がゆっくり大きな波形になった状態のことです。
ノンレム睡眠は、人間のように脳が発達した高等な動物にのみ見られる睡眠で、脳の疲れを解消するとても重要な眠りです。ノンレム睡眠に入ってからしばらく経つと、今度はレム睡眠と呼ばれる浅い状態となり、心拍数や呼吸は早くなり、大脳も活性化する眠りが訪れます。この時、夢を見ることが多く、記憶が整理される時間とも言われています。
ちなみに、レム(REM)睡眠とは「Rapid Eye Movement」の略で、眼球が素早く動く様子が見られることからこう呼ばれ、ノンレムはそれがない時間として区別されています。
寝始めの3時間が大切!
私たちの一晩の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠がほぼ90分の周期で3~5回交互に出現し、朝を迎えます。寝入ってすぐのノンレム睡眠がもっとも深く、一晩の深い眠りの80~90%を占めると言われています。
その後、徐々に浅いレム睡眠が増えるため、朝になると自然に目覚めやすくなります。つまり、最初の3時間しっかり眠れればかなり疲れは解消されるのです。
逆に寝つきが悪いと7~8時間眠っても疲れがとれにくくなる可能性があります。
前編の記事でご紹介した通り、適度な運動や入浴、スマホの使いすぎを控えるなどの生活習慣を取り入れて、スムーズに入眠できるようにしましょう、
不規則な生活やストレスも原因に
また、本来朝方は眠りが浅くなっているはずですが、睡眠不足や不規則な生活、ストレスなどが原因になって、睡眠のリズムが乱れ、目覚めにくくなってしまうこともあります。
運動や入浴を取り入れて、早めに寝ているのにいつも寝覚めが悪い…という人は、起床時刻を30分程度早くするなど起きるタイミングを調整すると良いかもしれません。
最近は眠りの深さを測る時計やベッドなども販売されているので、心地よい目覚めを追求したい方は試してみてください。
☆次回、1月の記事もどうぞお楽しみに!