朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『蚊がいる』。
人気歌人・穂村弘が日々感じる違和感についてつづったエッセイ集。世界や他者に対する波長のズレとは、運命センサーの感度とは。又吉直樹との特別対談も収録しています。
『蚊がいる』
著者:穂村弘
出版社:KADOKAWA
「現実世界のなかでは、内気だけが致命的なんじゃないか」このひとことが心に痛い。
著者の「運命センサー」は、感度の悪い自動ドアのようだという。「様々な出来事に対するセンサー」が思うように働いてくれない。体調センサーも恋愛センサーも。なんか変と気づいた時は、取り返しがつかないことになっている。「恋人が私の言動に対してイラっとした瞬間に、危険を察知した髪の毛がばりばりと逆立って欲しい」とつぶやく穂村さん。そこから妄想は広がっていくけれど……。
センサーの感度に人生がかかっているなんて切なすぎる。でも、穂村さんには生きにくい世界を逆転するためのとっておきのスイッチがある。それはやっぱり短歌なんですね。五七五七七で今日を乗り越える穂村さんに凄みを感じます。
「自分以外でもこんな感覚を持っている人がいるんだってわかって嬉しかった」と語る又吉直樹さんとの対談も必読です。
ブックデザインは美術家の横尾忠則さん。先日カフェボンボンでご紹介した横尾忠則さんの新刊『横尾忠則 創作の秘宝日記』には、穂村弘さんも登場します。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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