朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『横尾忠則 創作の秘宝日記』。
世界的な美術家・横尾忠則が一日の休みもなしに書き続けた日記、新刊です。現在、ツイッターなどで毎日マスクアートを発信中。2016年5月9日から2020年6月14日まで、著者の日常がぎゅっと濃縮されています。
『横尾忠則 創作の秘宝日記』
著者:横尾忠則
出版社:文藝春秋
「いよいよ大作(といっても150号)に取りかかる。できれば描いたことのない絵にしたい。指先に脳を移動させれば、頭の脳はこの間、休息していればいい。指に移動した脳は霊力となってキャンバスの上を何も考えないで駆け巡ってくれるだけでいい。」(2019年3月24日の日記より)
横尾忠則さんの日記は中毒になる。肉体の声と直感にしたがった生き方が気持ちよくて、貪るように読んでしまう。
昼間の日記とともに書かれる夢日記も病みつきの原因のひとつ。著者は昼と夜のあいだを自由自在に行き来する。この浮遊感がたまらないのです。「夢を見なかった夜は損をしたような気になる」という横尾さん、「昼の出来事と夜の出来事のコラボはそのまま創造へとつながっていく」のだそうです。八十四歳のいまも国内外からの仕事のオファーを次々とこなし、鬱蒼とした樹木に囲まれたアトリエで大作を一気に仕上げる。横尾忠則の日常は、夢をはるかに超えてファンタジックでマジカルなのだ。
日記には病院での出来事が頻繁に描かれています。病院好きといってはなんですが、肉体の感覚に敏感な横尾さんはとにかくすぐ病院へ出かけます。その体験から「兵庫県立横尾救急病院」展のアートは生まれたのかもしれません。
「毎日コロナ抜きで物を考えるということはできない。だったらコロナと共生共存するしかない。コロナのマイナス・エネルギーを、プラス・エネルギーに変えて、絵でも描きましょう。」(2020年4月19日の日記より)
著者の言葉の一言一言に元気が出ます。ぜんざいやわらびもちが大好きで、猫を愛してやまない横尾さん。絵と向かい合う本気とやさしさが伝わってきます。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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