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日常のふとした瞬間の幸福を書きとめた詩集『深呼吸の必要』

 

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『深呼吸の必要』

詩人・長田弘が「深呼吸の必要をおぼえたときに」書きとめたという言葉。散文詩三十三篇を収めた一冊です。生きることの幸福とふしぎを感じる詩集です。朝読書にぜひ。


深呼吸の必要
著者:長田弘
出版社:角川春樹事務所

秋の気持ちのいい一日、どこかに出かけるのならこの本もって出かけたい。大きな木の描かれた本を鞄に入れて。

「きみはいつおとなになったんだろう」と問いかける「あのときかもしれない」という詩。たとえば一人の子どもだったきみは「道をただまっすぐに歩いたことなどなかった」。一人のおとなのきみは「急ぎ足に、人混みのなかをうつむいて歩いてゆく」。きみがおとなになったのは、歩く楽しさを失くしたとき……。

子どもとおとなの境目はいつ。誰かに、あの人に、聞いてみたい。自分でも「いつ」と考えてみるうちに、忘れていた風景が色鮮やかによみがえってきます。

この詩集に、日常のふとした瞬間の幸せを感じます。夕暮れの西の空に、街の小さな花の店に、家々のあいだの路地に、親密であたたかな時間が流れています。

朝読書には「公園」という美しい詩の一節を。「近くのような遠くで、誰かがトロンボーンを吹いている。日曜日の公園の午後には、永遠なんてものよりもずっと永くおもえる一瞬がある。」

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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