朝時間.jpでユーザー398人に、眠りに関するアンケートを実施したところ、「睡眠に悩みを抱えている」人が73%もいることが発覚!主な悩みとして「寝起きが悪い」「夜中に目が覚める」「ぐっすり眠れない」「早寝早起きを習慣化できない」などのコメントが寄せられました。そこで編集部は、朝美人たちの眠りの質を向上すべく、スリープビューティーアドバイザーの内海裕子さんのもとへ。快眠のヒントがつまったこの記事を読めば、きっとあなたの眠り、そして朝が変わります。
Q1.そもそも人はなぜ眠るの?
A1.恋に仕事に「人間らしく」生きるため。
「意志や知的好奇心を持ち、他者を思いやってコミュニケーションを交わし、記憶や情緒などのコントロールをつかさどる“脳”。私たちが日々いきいきと暮らせるのは脳のおかげです。そんな脳を休ませる唯一の手段が睡眠。毎晩ぐっすり眠ることで、きちんと脳を休ませるからこそ、私たちは今日も恋に、仕事に、趣味に、人間らしく励めるのです」
Q2.何時間睡眠が理想的?
A2.個人差はありますが6~9時間の睡眠が必要といわれています。
「一部のショート&ロングスリーパーを除く80~90%の人が、6~9時間の睡眠を必要としているといわれています。世界各国の様々な調査でも、日本の成人の平均睡眠時間は世界ワーストクラスという結果が出ており、特に女性は、家事や育児、身支度などに時間がかかるため、男性よりも睡眠時間が少ないという報告もあるんです。これ以上削れないほど削られてしまっている睡眠時間。だからこそ質を高めると共に、眠る時間(量)も見直す必要があると思います」
Q3.自分がよく眠れているかどうやったらわかるの?
A3.朝、すっきりお目覚め! 日中冴えた状態で活動できればGOOD。
「グッドスリーパーの特徴は、寝つきがいいこと、眠っている途中で目が覚めないこと、そして、朝、起きた時にすっきり目覚められて『よく眠れた』という熟眠感があること。同じ睡眠時間でも、熟眠感を得られる人とそうでない人がいます。睡眠は長さだけでなく深さともに重要です。時間ばかりではなく質を高めてこその快眠なのです。また、日中も冴えた状態で気持ちよく活動できていれば、より良く眠れていると考えていいと思います。」
Q4.「寝だめ」ってできるの?
A4.基本的には「できません」。
「快眠の基本は、就寝時間と起床時間を毎日ほぼ同じ時刻に揃えることです。起床と就寝が±2時間以上ズレると、体内時計はその変動に追いつかず、日本にいながら時差ボケ状態に。ブルーマンデー症候群も週末の度を越した寝だめが一つの原因といわれています。寝だめと称して少し寝坊したいなら2時間以内の延長にとどめ、できれば起きる時間ではなく寝る時間を早めることで週末気分を味わって」
Q5.眠くなると手足が温かくなるのはなぜ?
A5.体が「寝る準備」に入ったサイン。
「体は血流を利用して、体内の熱を体表へと追いやることで、深部体温や脳の温度を下げながら、体の状態を活動モードから休息モードへと切り替えます。手足が温かくなり、深部体温が下がりはじめたタイミングで布団に入るのが理想的です。手足が冷え切っていたりすると寝付けないのは、深部体温をうまく下げられないから。お風呂に入る時間がない時は、手浴・足浴などで体表を一度温めるといいでしょう。
Q6.すぐ実践できる「夜ぐっすり」&「朝すっきり」習慣は?
A6.「コレだけやればOK」の快眠習慣はありません。
「朝、太陽の光を浴びることで体内時計を整え、朝食で腹時計を整え、日中を快活に過ごして昼食をとり、夕方に軽い運動をして夕食を食べ、夜は心地よくお風呂に入り、就寝時間まで間接照明の中でリラックスして過ごす。このように一日一日を体の活動モードに合わせて健やかに過ごすことが快眠のカギ。まずは朝、カーテンを開けて、体の内側から目覚めることからはじめてみては?」
Q7.寝室は遮光カーテンがいい?
A7.季節によってカーテンに求める機能は異なります。
「朝日の目覚まし効果は絶大。初夏の日の出は4時半頃。そんなに早く起きる必要のない人は、夏は遮光カーテンを選び、起きる時間まで朝日をシャットアウトした方がより長く眠りやすくなります。また、夏は、日中も寝室のカーテンを閉め切って、部屋の温度を上げ過ぎないようにし、睡眠を妨げる暑さ対策を。
逆に冬は、遮光性よりも保温性を重視してカーテンを選びましょう。寒すぎる寝室では寝付きにくくなります。また、真冬の日の出は7時頃。保温性が高いカーテンを2~3センチほど開けて、朝の光を寝室に入るように調整すれば、保温性もキープしながら朝日のすっきり目覚まし効果も有効に利用できます」
遮光性もあり二重織なので保温性にも優れた、一年を通してお使いいただけるカーテンです。織り方や糸の素材に工夫がほどこされています。
Q8.寝具ってどんなものを選べばいいの?
A8.重視したいのは「寝返り」のしやすさです。
「敷布団・掛布団・枕ともに、寝返りのしやすいものを選びましょう。寝返りは布団の中の湿度や温度を逃がして体温調節したり、ノンレム睡眠とレム睡眠のスイッチャーの役割を果たしたりするなど快眠に欠かせないもの。
意外と多いのが、夏と冬で掛布団は変えるけど、敷布団や枕はカバーだけ変えて素材を変えないという方。冬は敷布団(マットレス・ふとん)の上にもう一枚冬用の敷きパッド(ベッドパッド・ふとんパッド)を重ねたり、枕も夏のそば殻やストロー素材から、肩や首周りを冬の寒さから守る保温性のある素材の枕に替えたり、枕カバーをチェンジするなどして温かく眠って」
やわらかな肌触りのマイクロファイバー素材の敷パッドです。キルトを最小限にすることでふっくらした毛布のような風合いに仕上がっています。
ゆっくりと沈み込む低反発素材を中材に使用。中材をポリエステルわたで包み込んだ、ふっくらとした使い心地が特長のまくらです。
Q9.快眠を妨げる「NG寝具」は?
A9.電気毛布は使い方を見直した方がよさそう。
「電気毛布を“毛布代わり”に利用してしまうのはNG。冬なのに“寝具の中だけ熱帯夜状態”となり快眠のキモである深部体温が下がらず睡眠の質が悪化してしまいます。電気毛布を利用する場合は寝る時間まで、お布団を温めておくためのものとして利用しましょう。また、冬のかけ寝具として一番人気の羽毛布団は、品質の良い羽毛布団を一枚で利用するのが正しい使い方。できるだけ、羽毛布団の温かさのポイントである嵩高(かさだか)を潰さず、ふっくらした状態をキープしてぐっすり眠りましょう。
しかし、羽毛布団だけではどうしても寒くて眠れないという場合は、羽毛のふっくら感をつぶさない “軽めの毛布”を羽毛布団の上にON。寒い冬もより暖かく安眠できるよう工夫してみましょう」
フランス産ダック羽毛を使用し、立体キルトの二層構造で保温性を重視した軽く暖かな掛ふとんです。
吸湿発熱機能を持った繊維を使用した、なめらかな風合いの毛布です。暖かくご使用いただけます。
Q10.ジャージなどの部屋着で寝てもいいの?
A10.寝る時はパジャマが一番です。
「ジャージやスウェットなどは、立ち姿に合わせて作られているもの。就寝時には必要のない肌との密着やゴムの締め付けは、皮膚感覚を刺激して眠りを妨げる原因になることも。寝返りを妨げるパーカーや飾りがあるウエアも避けたいところです。
吸湿性・放湿性・透過性に優れ、ゆるゆるとリラックスした着心地のシンプルなデザインのパジャマを選びましょう」
着心地にこだわって脇の縫い目をなくしたパジャマです。オーガニックコットンを使用しているため暖かく、やわらかな肌触りが特長です。
★まとめ★
「眠りは、恋に、仕事に、趣味に…明日をより良く生きるための英気を養う時間であるだけでなく、美しさを育む時間でもあります。質の良い眠りは、細胞の再生を促し、老廃物の排出を促進させ、お肌の“ハリ”“潤い”“つや”“血色”を健康的な状態に導きます。また、気になる“たるみ”や“むくみ”も改善してくれるのです。更には瞳にまで輝きをもたらしてくれるなどいい事ずくめ。
これ以上削れないくらい削られてしまっているといわれる日本人女性の睡眠時間。生活習慣を見直し、寝具や寝室環境を整えて、睡眠の質を上げることで、健やかな美しさを育んでください」
◎今回、お話をうかがった方
スリープビューティーアドバイザー 内海裕子さん
睡眠改善シニアインストラクター・上級睡眠健康指導士・睡眠環境診断士・早起きコーディネーターなど様々な資格を有する眠りのエキスパート。睡眠にまつわる記事の取材・監修や講演も行っている。著書に『快眠のための朝の習慣・夜の習慣』(大和書房)などがある。
vol.03は朝時間.jpの連載でも大人気のみしぇるさんをゲストに、ミニマルな暮らしと無印良品のアイテムについて語ってもらいます。12月8日(木)公開予定です。お楽しみに!
【心地よい朝を迎えるための部屋づくり・インテリア連載】
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