今日のカフェボンボンは、宮沢賢治の『新編 銀河鉄道の夜』

表題作のほか「よだかの星」「オツベルと象」「猫の事務所」
「セロ弾きのゴーシュ」など14編を収録しています。


20150106

新編 銀河鉄道の夜
著者:宮沢賢治
出版社:新潮社

冬の夜空を眺めながら『銀河鉄道の夜』を思う。

孤独な少年ジョバンニと親友カムパネルラの銀河鉄道の旅。
旅人たちを乗せた汽車は、天の野原の中をどこまでもどこまでも走っていく。

星めぐりの口笛を吹いたり、銀河の駅で途中下車をする二人。

少年たちはものめずらしさにはしゃいだりもするけれど、
天の川をめぐる夜空の旅は、なぜかもの悲しい気配に満ちている。

乗り合わせた旅人たちが次々と降りて二人きりになったとき、
ジョバンニとカムパネルラは、どこまでもどこまでも一緒に行こうと約束する。

「けれどほんとうのさいわいは一体何だろう」

ジョバンニの問いかけに、目に涙を浮かべたカムパネルラが答えるのです。
「僕わからない」と……。

読み返すたびに心がしんとする。

星空に光がすっと流れるように銀河鉄道がゆくと、
窓から少年たちの顔が見える気がします。

Love, まっこリ〜ナ

 

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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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