今日のカフェボンボンは、宮沢賢治の『新編 銀河鉄道の夜』。
表題作のほか「よだかの星」「オツベルと象」「猫の事務所」
「セロ弾きのゴーシュ」など14編を収録しています。
『新編 銀河鉄道の夜』
著者:宮沢賢治
出版社:新潮社
冬の夜空を眺めながら『銀河鉄道の夜』を思う。
孤独な少年ジョバンニと親友カムパネルラの銀河鉄道の旅。
旅人たちを乗せた汽車は、天の野原の中をどこまでもどこまでも走っていく。
星めぐりの口笛を吹いたり、銀河の駅で途中下車をする二人。
少年たちはものめずらしさにはしゃいだりもするけれど、
天の川をめぐる夜空の旅は、なぜかもの悲しい気配に満ちている。
乗り合わせた旅人たちが次々と降りて二人きりになったとき、
ジョバンニとカムパネルラは、どこまでもどこまでも一緒に行こうと約束する。
「けれどほんとうのさいわいは一体何だろう」
ジョバンニの問いかけに、目に涙を浮かべたカムパネルラが答えるのです。
「僕わからない」と……。
読み返すたびに心がしんとする。
星空に光がすっと流れるように銀河鉄道がゆくと、
窓から少年たちの顔が見える気がします。
Love, まっこリ〜ナ