今日のカフェボンボンは、完訳本の『小公女』。
ロンドンの寄宿学校を舞台に、心優しく気高い少女を描いた物語。バーネットの名作が新訳で生き生きとよみがえりました。
『小公女』
作:フランシス・ホジソン・バーネット/訳:高楼方子/画:エセル・フランクリン・ベッツ
出版社:福音館書店
懐かしいシーンが次々とよみがえる。忘れていたんじゃなくて、眠っていた記憶。
子どもの頃に夢中になった物語のなかでも、『小公女』は特別な一冊です。黒髪の少女セーラの独特の魅力に、寄宿生の少女たちと同じように惹きつけられました。
彼女が何より大切にしていたのは想像力、お話を語る才能でした。最愛の父を亡くし貧しい境遇に陥ったときも、この力でどん底の暮らしを乗り切ろうとするのです。
新訳で際立つのは、セーラの複雑な人物像。純粋で健気なだけではない、気性の激しい人間味あふれる少女と出会えます。人形のエミリーや大切な友だちアーメンガードやベッキーに。意地悪で残酷なミンチン先生、隣りの家のインド人にも。
小公女の「朝時間」は、屋根裏部屋の天窓に射し込む朝の光。美しい緑色の瞳のセーラが空を眺めています。
Love, まっこリ〜ナ
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