デイヴィット・パッチフィールドさんの講演会を聴きに行ってきました。
パッチフィールドさんは、先日、高松宮殿下記念世界文化賞の建築部門を受賞されました。
(高松宮殿下記念世界文化賞は、絵画部門、彫刻部門、建築部門、音楽部門、演劇・映像部門の5部門ありました。クラスで4部門と言ったのは誤りです。失礼いたしました!)
授賞式に来日したとき、講演会をしてくださいました。
その講演会を聴きに行ってきました。
同部門では過去、安藤忠雄氏が受賞されましたが、
世界の建築業界の第一線を走る人たちはどんなことを考え、
物を生み出しているのだろうと興味がありました。
それから、様々な業界の第一人者の人たちに、
私が学んできたヨガの考えが、どれほど通用するものなのか、
常に検証したいという私の好奇心もあります。これはもはや私の趣味です。
チッパーフィールドさんは大変誠実な思想の持ち主なので、
手がけた建築も、安定感があり、馴染みやすいものばかりです。
奇抜なものを造ることよりも、その土地に根ざすことを大切にしています。
文化とは建築的に捉えると、空間だそうです。これは新しい視点でした。
空間にこそ、その土地の文化や思想が漂い、流れ、生き続けるのだそうです。
だから、建築を造るとは、空間を造ることであると言っていました。
そして、日常の繰り返しを支える環境は、人々の思想や感性、習慣に大きな影響を及ぼし、
建築家は、芸術家と思われるかもしれないが、実際は全く違うとのこと。
その土地の歴史を左右するほど責任重大な役割を担っているというのでした。
私は、デザイナーという職業も同じだと思いました。
物を生み出す責任は、どんな思想を提案するかというところにあり、
見かけだけの物作りは、むしろ罪だと思います。
世界にチッパフィールドさんのような安定した思想の
建築家がもっと増えたらいいなと思いました。
そうすれば、どこの都市に行っても、見飽きたファーストフード店が
ちょっとは紛れるかもしれません。
旅の充実感が違います。
今や、インドに行っても、デリーは世界によくある都市化が進んでいます。
つまり、インドらしさを失いつつあるわけです。
これがどんどんインド中に広まったとしたら、インドに行く意味はなくなります。
ヒマラヤもロープウェイで登れるようになったら、
ヨガ修行しに、わざわざインドに行きたくないです。
ぜひ、世界の前例を参考に、インドには成功を収めてほしいものです。