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名前のないスープをめぐる物語『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

 

今日のカフェボンボンは、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

『つむじ風食堂の夜』の作者が描く、サンドイッチの店「トロワ」を巡る物語。熱々のスープの湯気に、心も体も温まる。寒い冬におすすめの本です。

20140119

それからはスープのことばかり考えて暮らした
著者:吉田篤弘
出版社:中央公論新社

失業中の「僕」は、職探しもせずにぶらぶらしている。かといって焦ることもなく、路面電車に乗って、隣町の古い映画館に通う日々を送っている。

僕が何より気に入っているのが、「トロワ」のサンドイッチ。朴訥な主人がていねい作るサンドイッチのおいしさといったら。

ハムのサンドイッチ、きゅうりのサンドイッチ。チーズの、いちごジャムの、たまごの、じゃがいものサラダの! そして、この店のメニューにスープが加わることになって……。

本当においしいスープってなんだろう。寝食を忘れてスープのレシピを模索する僕。冷えた体を温めてくれるスープ。しかもサンドイッチの味のじゃまをせずに。

僕のまわりの人たちはみなどこかしら不器用で、忙しさに身を任せたり、適当に人間関係を作ることを決してしない。だから時間がとても緩やかに流れていく。

この物語の「朝時間」は、冬の朝のスープ。
心のこもったおいしいスープに、体の芯がとけていきます。

単行本の装丁も素敵です。
単行本の装丁も素敵です。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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