今日のカフェボンボンは、『道はみんなのもの』。
ベネズエラの首都カラカスを舞台にした、遊ぶ場所を失った子どもたちの物語。色鮮やかな絵とストーリーを楽しみながら、環境問題やまちづくりを考えるきっかけとなる本です。
『道はみんなのもの』
文:クルーサ/絵:モニカ・ドペルト/訳:岡野富茂子、岡野恭介
出版社:さ・え・ら書房
ずっと昔、カラカスの山は豊かな自然にあふれ、草花が咲き乱れていました。山には草ぶきの家が一軒あるだけで、緑の斜面をピューマがゆうゆうと歩き回っていました。
やがて、時代とともに工業化が進むと、町を囲む山の斜面に人々が住むようになって、山はてっぺんまでにわかづくりの家で埋め尽くされてしまいます。「バリオ」とよばれるこの地域には、もはや空き地もありません。子どもたちが道で遊んでいると、大人たちに邪魔だと怒られてしまいます。
「道はみんなのものだよ!!」大きな声でそう言いたいけれど、どうしたらいいんだろう?途方にくれた子どもたちは知恵を出し合い、みんなの公園をつくってもらおうとするのですが……。
ベネズエラの絵本を手にする機会はなかなかないので、とても興味深く読みました。色彩豊かな絵が、町の空気や人々の表情を生き生きと伝えてくれます。
子どもがのびのびと遊べる環境を大切にしたい。この願いは世界共通のものですよね。本書は1981年に出版されて以来、13か国で翻訳され、ロングセラーを続けているそうです。
Love, まっこリ〜ナ