今日のカフェボンボンは、湯本香樹実の『春のオルガン』。
小学校を卒業したての少女の春を、みずみずしい感性で描いた物語です。私はどんな大人になるのかな? 考えても何も浮かばない。それなのに考えるのを止められない。いつまでたっても堂々めぐり……。
『春のオルガン』
著者:湯本香樹実
出版社:新潮社
春休み、トモミは布団にもぐりこんだまま、ネジの緩んだ時計の振り子みたいに揺れている。
原因は去年から続いてる頭痛。悪夢にも悩まされるし、中学受験も失敗しちゃった。家族もバラバラだし、隣の家とのトラブルもある。気が合うのは弟のテツだけ。家に帰りたくない。河原で見つけた古いバスでテツと暮らそう……。
春風はいろいろなものを運んでくる。宿題のない解放感、誰かと出会えそうな予感。その一方で、不安に押しつぶされそうにもなりますよね。トモミのように身動きがとれなくなって、それでも一歩前に踏み出せたら、きっと新しい世界が待っていると信じたいな。
トモミの「朝時間」は、台所でミルクを温める明け方。
くもりガラスの窓が青く染まって、夜明けが早くなったと気づきます。それは、トモミの中で、季節や時間がちゃんと進んでる証なのかも。トモミと同じ年齢の人たちにも、ぜひ読んでほしい一冊です。
『ポプラの秋』も心に染みます!
よい週末を。
Love, まっこリ〜ナ
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