おはようございます。ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子です。
この連載では、『朝のスキマ時間に学ぶ♪家計管理・お金の基本』というテーマで、お金にまつわるコラムをお届けします。
知っておきたい。「給与明細」の項目【社会保険編】
毎月お給料と一緒に受け取る「給与明細」。最近は紙ではなくウェブ明細も増えているようですが、明細の内訳をしっかりチェックしていますか?
どうやら、給料を受け取っている多くの方が、振り込まれる金額(手取り額)を確認するだけで完了としているようです。
しかし、給与明細には大切な情報がたくさん記載されています。自分の給与から差し引かれているお金を把握したり、勤務日数や残業時間に間違いがないかを確認したりすることはとても大切です。
ということで今回は、知っておきたい給与明細のポイント(社会保険編)をお伝えします。
知っておきたい「差し引かれるお金」
給与明細の「控除」欄をみると、税金や社会保険など、様々な項目で大きな金額が差し引かれているのが分かると思います。
けれど、実は「社会保険」については、勤務先がおおよそ半額を負担してくれています。実際には必要な金額の半額ほどの負担で済んでいる、ということを把握しておきましょう。
社会保険には何がある?
- 健康保険
病気・けがの治療などにかかる医療費のための保険です。健康保険証があると、3割負担で病院にかかることができます。
傷病手当金、出産手当金なども健康保険の給付項目です。
- 介護保険
高齢者の介護を支えるための社会保険のこと。満40歳になった月から自動的に加入します。介護認定を受けると1割負担で(収入によっては2割・3割負担になります)介護サービスを受けられます。
- 厚生年金
会社員や公務員が入っている公的な年金のことです。
老後の年金受給、障害を負った場合の障害年金、死亡した場合の遺族年金も給付項目となっています。
- 雇用保険
失業や育児休業に備えて加入している保険のこと。31日以上雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上であれば加入義務があるため、フルタイムの正社員であれば加入して、雇用保険料を支払います。
(雇用保険は上の3つの保険と違い折半ではありません)
まずはここから!お金を学び直すなら知っておきたい「基本のキ」
社会保険料が決まるのは年度始め
健康保険・介護保険・厚生年金は毎年固定ではなく、「標準報酬月額(4月率)」で算出されます。
基本的には4月・5月・6月の給与をもとに、「4月・5月・6月の総支給額の平均× 所定の保険料率」で算出され、このうち半分が自己負担、もう半分が会社負担となります。
新年度は、人事異動等もあり残業が多くなりがちですよね。もしこの時期に残業などで給与額が多くなると、その年度の社会保険料の料率が高くなってしまいます。
そのために残業をしない…というわけにはいかないと思いますが、社会保険料に影響するということを意識しておきましょう。