朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『まぬけなこよみ』。
芥川賞作家の津村記久子の四季をめぐる歳時記エッセイ集、文庫新刊です。さまざまな風物詩からみえてくる作家の日常とは。季節の変化を感じる一冊は、忙しい毎日にお疲れ気味のときにオススメです。
『まぬけなこよみ』
著者:津村記久子
出版社:朝日新聞出版
寒い冬の朝、著者は起きるとまずストーブを点け、着込んでストーブの前に座り込む。「ストーブの近くに座りながら、わたしは何か、焚き火の近くにいるような気分になってくる」「いいこともいやなこともたくさんあるけれども、とにかく今は暖をとるのだ」。
節分の豆まきをもう何十年もやっていないという。けれど、津村さんは毎年欠かさず厄除けのお寺にお詣りに行き、出店でからあげと厄除けのおまんじゅうを買うのを楽しみにしています。お詣りのあとの時間は「ぼんやりとした達成感とぬるい幸福感に満ちている」。「ストーブ」や「節分」という季節のことばの向こうに著者のふだんの姿がほわっと浮かんでみえてきます。
オリオン座、雛祭り、花見、たけのこ、ぶらんこ、花火、いわし雲、新米、みかん……。子どもの頃、著者が夢中になったものや好きだったものも季節とともによみがえってくる。それから、今、大切にしているものも。四季のなかにある小さなよろこびを感じる一冊をぜひどうぞ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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