暑さと光が夏の眠りを妨げる

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夏になると誰でも経験するのが、暑さによる寝苦しさ。それでは、スッキリ目覚めたくても、寝不足で気分が晴れなかったり、夏バテを起こしやすくなってしまいます。熱帯夜でもぐっすり眠れる方法を実践して、気持ちのいい朝を迎えましょう!

太陽の光を浴びることや体温を上げることは、目覚めを促すのに役立つとすでにご紹介しましたが、夏は早い時間に太陽が昇るため、その光の影響で起きたい時間よりも早くに目が覚めてしまう傾向があります。また、夜の暑さは、寝つきを悪くしたり、中途覚醒(夜中に目が覚めること)の原因になります。合わせて、朝の暑さは体温を上昇させるため、朝早くに目覚めやすくなり、結果的に、眠りの質が低下しやすくなりがちです。そんな状態を続けていては夏バテに陥ること間違いなし。夏でもぐっすり眠れる方法を今すぐ実践しましょう。

寝室は温度26℃前後、湿度60%を保って

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人の体は高温多湿(気温29℃以上)になると熱の発散ができにくくなるため、深部体温がなかなか下がらず、眠りにくくなってしまうことがわかっています。夏の夜でもぐっすり眠るには、光を遮断するだけでなく、温度湿度も適度に保つ(夏の場合は室温26℃前後、湿度60%前後)ことが大切です。

ただし、設定温度に関しては、涼しいと感じる温度に個人差があるので、自分なりの温度を見つけることが必要になります。人の体温は寝付くときより夜中にもっとも低くなり、外気温も夜中になると低くなるので、一晩中、同じ温度で冷やしすぎると夏風邪の原因になるので注意して。

いろいろな実験研究により、わかってきたことをまとめたので、ぜひ、あなたの寝室にも取り入れてみましょう。

1.ベッドは朝日が入る東窓から離す。2.カーテンを厚めにして光と暑さを防ぎ、早朝覚醒を防止する。

3.パジャマや寝具は吸湿性や放湿性にすぐれた夏用のもの(敷布団や掛け布団だけでなく枕も通気性のよいものに)に替える。昔からいわれるように、お腹だけは冷やさず、”頭寒足寒”で眠ること。

4.寝る前に寝室の熱気をとる。窓には簾をして直射日光をさけ、窓を開けるなどして通気をよくしておくのが理想ですが、こもってしまった場合は、はじめはエアコンを低めの温度に設定し、扇風機も併用して、熱や湿気をしっかりとるのがポイント。マンションなどは壁に熱がこもるので扇風機などは壁にあてるとGOOD。熱気がとれたところでエアコンを26℃くらいに設定する(ドライをうまく使って湿度を下げておくと、温度をあまり下げなくても眠りやすくなる)。

5.観葉植物を置く(大きめの観葉植物があると熱気や湿気をとってくれる効果がある)。

6.エアコンのタイマーを2~3時間に設定する(1時間で切れると、深い眠りに入る前に暑くなってしまい、目が覚めやすくなるため)。田舎のような環境であれば夜中に外気温が下がるため本来、夜中のエアコンは不要になりますが、熱帯夜が続く都会では一晩中エアコンを使ったほうがよく眠れるともいわれています。冷やしすぎでなければ体に問題はないのでそれでもよいのですが、環境にはよくないので、都会の人が考えなければならない問題になっています。

7.エアコンで冷えてしまった人は、一度熱いお風呂に入る(リラックスして眠りやすくするにはぬるめのお風呂に入ることが有効ですが、エアコンなどで体が冷えてしまったときは、熱めのお風呂に入ったほうが、体温調整がリセットされて眠りやすくなります)。

以上のことに気をつければ、熱帯夜でも快適に眠れるようになるはずです。寝苦しい熱帯夜もぐっすり眠り、翌朝気持ちよく目覚めましょう。

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早朝覚醒を防ぐためにはカーテンを厚手のものにするのが有効ですが、完全な遮光だと、いくら夏でも光が入らず、やはり目覚めが悪くなってしまうことが。理想は起きたい時間の30分前くらいから光を感じることが理想だといわれているので、寝室を北側に変えるなどして直射日光を避け、カーテンは少し光を感じるものにして、自然な目覚めが得られるように工夫を!

 

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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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