■ 朝は普通の速度で歩こう!

 

朝の目覚めが悪い、午前中は気分が重い。そんな人は、朝起きたら外に出て散歩をしましょう! 太陽が昇る時間が早くなり、気温も高くなってきたこの季節は、夜型の人でも早い時間に目覚めやすいので、朝型へ変えたい人もトライしてみることをおすすめします。

 

Vol.14で述べたように、運動は上質な眠りを得る重要なカギ。とくに夕方に行なう有酸素運動は、心地良い疲労感と熱の発散作用により、夜の眠りを深くします。

 

一方、朝の運動ですが、実は、起きぬけは循環器系機能がまだ完全に働いていないため、健康の面からいえば、激しい運動はしないほうが無難。

 

 

 

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もちろん、アスリートのように慣れている人であれば問題ないのですが、運動不足の人、心臓が悪い人、血圧が高い人などは、朝の激しい運動は慎重にしなければなりません。とくに、冬のような寒い季節は心臓疾患を起こしやすいのでより注意が必要です。

 

でも、散歩くらいならOK。さすがに真冬や起きてすぐはおすすめできませんが、少し体が起きた頃、普通の速度で楽しい気分で歩いてみましょう。目覚めが促され、少し体温も上がって食欲も促されるはず。

 

 ■歩けば気分も前向きに!

 

実は、脳科学の先生に取材をして伺ったことですが、歩くことにはベータエンドルフィンやドーパミンといった「快楽ホルモン」の分泌を促す働きがあるそう。よく、マラソンをするとランナーズハイになるといわれますが、歩くだけでもそれと似た状態になるそう。15分~40分と時間を追うごとに、いろいろな快楽ホルモンが出て、気分が前向きになれるとか。運動の効果はほぼ1日続くので、1日気分よく過ごせるってわけです。朝は空気もよく、太陽がプラスのエネルギーをチャージしてくれるので、さらに気分は前向きに!

 

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頭では掃除をしたい、買い物に行きたいなどと考えていても、横になっていると思うように体が動かないという経験はありませんか。そんなときはまず、体を動かしてみると、脳が刺激を受けて活性化され、スムーズに体が動くようになるのだそう。つまり、散歩をすればその後、脳も体も快適に働くようになるのです。

現代人は何かと運動不足といわれています。健康のためにもぜひ、散歩を習慣にしてみてください。

 

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何かを始めようと決めると、日本人は頑張りすぎる傾向があります。それが継続を邪魔する大きな原因。まずは毎日でなくて週に1~2回から始めてみて。また、今まで運動不足だった人は、まずは家の周りを一周するくらいから始めましょう。1日1万歩歩くのが健康にいいといわれていても、今まで3000歩くらいしか歩いていなかった人が、いきなり1万歩も歩いたりしたら、足を痛めたり筋肉痛になる原因に。ステップバイステップで少しずつ歩く距離を長くしていきましょう。また、歩く速さは気にしなくていいので、歩き方には意識を。変な歩き方をしていると、ある部分にだけ筋肉がついたり、骨盤に負担がかかったりするので、きれいな姿勢で歩くように心がけて。

朝は散歩をする暇がない、わざわざ散歩に出るのは面倒という人は、通勤のときに隣りの駅まで歩くようにしてもOK。私もそうですが、一人で歩くのは苦手と思う人は、パートナーや愛犬と一緒に歩いてみましょう! 

 

参考文献/「脳は何かと言い訳をする」池谷祐二(祥伝社)
     「ハピモテ体質になれる美人の習慣」(ゴマブックス)佐藤富雄

 

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この記事を書いた人
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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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