無理に眠ろうとするのはNG!緊張やストレスで眠れない時にしたいこと

 

連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます

今回のお悩みテーマは…「新生活の緊張やストレスで…眠れない!」〜前編〜

(お悩み)新生活になかなか慣れず、日中は常に緊張しっぱなし!そのせいか、疲れているはずなのに夜遅くまで眠れません。逆に日中は眠たくて眠たくて…困っています。昼と夜で気持ちを切り替えて眠る方法や、日中の眠気対策を教えてください!

春はストレスがたまりやすい季節

疲れて帰宅した女性

新学期が始まり、胸躍る春。でも、実際は慣れない生活で疲れやストレスがたまりやすい季節でもあります。

眠りの観点からいうと、春は眠りやすい気候。「春眠暁を覚えず」ということわざにあるように、夜が明けても気がつかないくらい、ぐっすり眠れる季節です。

しかし、実際は寒暖差が激しく、花粉が飛散して体調不良になりやすいだけでなく、慣れない新生活で緊張してしまいがち。さらに、昨年以降は「新型コロナウイルス」感染拡大による慢性的なストレスがずっと続いている状態のため、例年以上に眠りの質が低下してしまう可能性が高いといえます。

ストレスによる「脳の興奮状態」が不眠の原因に

眠れない女性

ストレスが睡眠を妨げる原因と解消法については、以前の記事でも述べていますが(「心がざわざわする春…快眠を妨げる「ストレス」の正体って?」「瞑想、入浴、食事…「快眠」を助けるストレス解消法あれこれ」)ひと言にストレスといっても、その内容は多岐にわたります。

新生活による精神的な緊張から、気温差、気圧差、花粉、騒音、生理、ダイエット、彼氏のことなど、ストレスの種をあげたらきりがありません。

本来は一日しっかり頑張ると夜はぐっすり眠れるはずですが

  • 「寝坊したらどうしよう?」
  • 「明日は何をしなくちゃいけないんだっけ?」
  • 「今日は大失敗しちゃったな」

などの心配事や考え事があると、脳の興奮(緊張)状態が続き、夜になっても眠りにくくなってしまうのです。

無理に眠ろうとするのはNG!

そんな時、「眠らなきゃ」と無理に眠ろうとするのはNG。さらに脳が緊張して、眠りにくくなってしまうことがあるからです。

心配事があって眠れない時は、一度ベッドから出て、照明を暗めにしたリビングなどで過ごしてみてください。その時は、スマホやPCに夢中になるのではなく、落ち着いた音楽や本で気分をリラックスさせましょう。

そして「眠れない時もあるのだ」と割り切って、決して焦らないことも大切。

ポジティブorネガティブ?心のクセを知って眠れる人になろう

さて、同じ大変な環境にあっても、ぐっすり眠れる人とそうでない人がいます。それはストレスの感じ方が人によって違うことや、仕事が終わった後のON・OFFの切り替えが上手かどうかということが言えるかもしれません。

ストレスの感じ方は「心のクセ」とも言えるのですが、同じ失敗をしても「どうしよう、大変なことしちゃった。私ってなんてダメなの?」とくよくよ悩むネガティブタイプ(日本人に多い真面目型)もいれば、「やっちゃった。でも、ま、いいか!」と気にしないポジティブタイプもいます。

実はこの違いが眠れるか眠れないかのカギになることがあります。

自分がどちらのタイプかを知るには、いつもの生活で考えていることをメモして、心のクセを観察してみてください。

実はこれは、「認知行動療法」という心理学の分野で実施されている方法。自分の心のクセを知ることで、行動を変えていくという、面白くて効果のあるセラピーです。

不思議な話ですが、ヘルニアなどの異常はないのに腰痛が消えずに悩んでいた人が、認知行動療法を実践したら行動が変わり、腰痛が治ったという報告もあります。

眠りを含め、心と体は表裏一体。自分の言葉は、脳にとってとても大切なのです。悩みをネガティブに捉えてしまうクセがある人は、「ま、いいか!」というポジティブマインドに上手に切り替えてみましょう。ストレスを感じる感情でも、夜はうまく眠りやすくなるかもしれません。

後編の記事では、ストレスや疲れをためずに、不眠を解消するための日中の過ごし方のポイントをご紹介します。

☆後編は、4月27日(火)朝4時に公開予定です。

 

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Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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