朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『戸惑う窓』。
作家・堀江敏幸がさまざまな「窓」についてつづったエッセイ集です。窓から見える景色を楽しみ、窓が切り取る世界を味わう25篇。朝読書にオススメです。
『戸惑う窓』
著者:堀江敏幸
出版社:中央公論新社
子どもの頃に「真の意味で開かれた窓」とめぐりあう体験をして以来、著者はいくつもの窓の前に立ってきた。しかし、そのとき窓がもたらした感覚と再び出会う機会はなかなか訪れなかったという。
本書で語られるのは、長い年月の間にようやく出会えた特別な「窓」のこと。写真や絵画の窓、小説に描かれた窓、映画に登場する窓、著者自身の記憶のなかの窓。たとえば、画家のマチスがパリのアパルトマンで描いた窓からの景色を、すぐ近くの建物の窓の内側から見たとき——。世界の街のさまざまな窓の前で思いをめぐらし、美しい文章で窓の内側と外側の景色を描き出します。
窓から外の景色を眺めていると「風景を味わうのではなく、窓の前にいることじたいを味わっているような気がしてくる」。そんなとき、窓はただ窓としての役割を果たすだけでなく、いつも著者に語りかけてきた。「外へ出ろ、内にこもるな」あるいは「よくここまで来た、ここまでくれば十分だ」というふうに。
窓から思いもかけない風景が豊かに広がってゆく。私も真の意味で開かれた窓とめぐりあいたいと思う。この本を読む前とあとでは、窓の前に立つ感覚が変わっていることに気づく一冊です。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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