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一夜だけ花を咲かせる幻の花『さがりばな』

 

みなさん、サガリバナという花をご存知ですか?

沖縄や奄美地方では、いま、この花が開花の時期を迎えています。今朝のカフェボンボンでは、美しい写真絵本『さがりばな』をご紹介します。

20120712

さがりばな
著者:横塚眞己人
出版社:講談社

沖縄の西表島の朝、水面に浮かぶ白い綿毛。夜のあいだ咲き続けたサガリバナの花びらが川一面に散っていきます。

サガリバナは、夏の夕方につぼみを開き始めます。たった一夜だけ花開き、夜が開けると水辺に花を落とすのです。花が咲くと、あたりには甘い香りが漂います。

開花と同時に赤い雌しべやたくさんの雄しべが姿を現し、芳香で虫たちを引き寄せる花の営みのひとつひとつが、とてもていねいに、ドラマチックに写し出されています。

写真と文は、自然写真家の横塚眞己人さん。長年移り住んだ西表島で、イリオモテヤマネコの親子の撮影に初めて成功したすごい人です。現在は「命のつながり」をテーマに、ボルネオやコスタリカなど世界中で活動されています。

横塚さんとは何度も一緒にお仕事させていただいているのですが、本当に自然を撮るために生まれてきたような方。熱帯雨林の樹上の動物たちを撮るために、50メートルもの木にツリークライミングしちゃうんですよ!

以前、西表島の夜の探検取材に出かけたときの、先頭を行く横塚さんの飛ぶような足取りと生き生きとした表情が忘れられません。

そして・・・、サガリバナの『朝時間』は、夜明けとともに落ちる花の神秘的な光景。そこからまた新しい命が始まります。

本のお供には、沖縄の島バナナが気分です。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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