朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『なにごともなく、晴天。』。
週末の読書にオススメの一冊をセレクトしました。『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『金曜日の本』などの作品で知られる吉田篤弘の小説です。食堂やコーヒーといった、著者ならではのテーマが散りばめられています。
『なにごともなく、晴天。』
著者:吉田篤弘
出版社:中央公論新社
なにごともなく、晴天。こんな心持ちになれる日があるといいなあ。タイトルに魅かれ、その言葉の背景を知りたくて読みはじめる。
舞台は鉄道の高架下にある商店街。列車がひっきりなしに頭上を通過し部屋は音をたてて振動する。主人公の美子は高架下の古道具屋で店番をしている。実際には美子の店ではなくそれにはいろいろと事情があって。美子の友人で輸入雑貨店を営むサキ、喫茶店を経営する事情通の「姉さん」。彼女らが緩やかに関わりながら暮らす日々が、ある出来事をきっかけに変化してゆくのだけれど……。
高架下の商店街の情景を思い浮かべながら、そこに暮らす人々の声に耳を傾ける時間はとても心地よいものでした。著者の小説のテーマでもあるコーヒーにまつわるシーンを読むのも楽しみのひとつです。
高架下に住んでいると、一度も「太陽と雲と青空」を見ずに終わる日もある。だから美子は一日一度、窓をあけ「本日も晴天」と言う。この習慣、なんかすごくいい。そう口にすると心のなかにも太陽の光が射し込むように思えます。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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