街を歩くと、かっこよくブーツを履きこなしている人をたくさん見かけるようになりました。しかし、この時期にとくに気になってくるむくみ。ブーツを脱ぐのにひと苦労…なんてことも。むくみは、どうして起こるのでしょうか?

 

 ■ 横になって眠ることが大切!

 

夕方になると、脚がパンパン。そんな経験は誰にもあるはず。でも、美に敏感な女性たちにとって、それは大きな問題。むくみを解消するため、エステに行ったり、マッサージをしたり、涙ぐましい努力をしている人も少なくないでしょう。

 

でも、実は、簡単にむくみを解消する方法があります。それはズバリ、横になって眠ること! というのも、むくみが起こる原因には、立っていることが大きく影響しているからです。

 

 

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水分や栄養を含む血液は心臓から動脈を通って全身に送られます。そして、老廃物や余分な水分は、静脈やリンパによって回収されます。動脈は心臓という力強いポンプがあり、重力に乗って勢いよく流れ出ますが、静脈にはポンプがなく、重力に逆らうことになるため、どうしても老廃物が下に貯まりやすくなります。とくに、立った状態にある日中は、重力の影響を受けやすいため、心臓からもっとも遠い脚がむくみやすくなるのです。

 

横になって十分な時間眠ることで、身体は重力から解放され、貯まった老廃物もスムーズに回収されます。睡眠中は細胞の代謝が盛んになる時間。ぐっすり心地良く眠ると副交感神経が優位になって血流が促されます。さらに、横になることで老廃物の回収も盛んになるため、朝にはむくみがスッキリして、細胞は栄養をもらって生き生きした状態になるというわけです。

 

最近、女性の睡眠時間は短くなっているので、横になっている時間も少ない。つまり、それだけむくみやすい状態にあるといえます。

 

 ■ 冷え、タバコ、ダイエット、塩分の摂りすぎにも注意!

 

むくみを放置すると、血管やリンパを圧迫し、行き場を失った水分や栄養は脂肪細胞の栄養に。そのため、セルライトができやすく、老廃物が回収されないために、肌はくすみやすくなります。

 

太ももなど、みかんの皮のようにデコボコしている部分があれば、それがセルライト。周囲の血管やリンパがむくみや、それによって大きくなった脂肪細胞によって塞がれてしまうため、運動してもなかなか解消されない厄介な脂肪になってしまうのです。それをつくらないためにも、血行をよくしておくことはとても大切です。

 

また、老廃物が身体に残っていることになるので、疲れやすさ、肌のくすみ、免疫力の低下なども起きやすくなります。

 

 

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身体が冷えると、血液の流れもリンパの流れも悪くなりますし、タバコやストレスは血管を収縮させてしまう働きがあります。また、塩分は、水分を余計に取り込む特性があり、いずれもむくみの原因になります。また、無理なダイエットは細胞に栄養が運ばれため、細胞自体が活力を失い、身体の機能が低下してしまうので要注意! たかがむくみと放置せず、その日のむくみはその日のうちに解消するようにしましょう!

 

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さらに生活でできるむくみ解消法をお教えします。

 

1.足先を高くして寝る

横になって眠るのはもちろん、少し足先を高くして眠ることもむくみ解消には効果的。ただ、フットレストのように足首を固定するものは、寝返りがしにくいので、敷布団の脚にあたる部分全体を少し高くして眠るのがオススメ! さらに、寝る前にはお風呂に入り、血行を促してあげるとよいでしょう。

 

2.深呼吸をする

日中は何かとストレスを感じることが多いため、筋肉が緊張し、呼吸も浅くなりがち。
その結果、血液やリンパの流れが悪くなり、細胞にも十分な酸素が送られなくなります。
むくみや疲れをひどくしないためには、1時間~1時間半仕事に集中したら、一度は席を立ち、体を軽く動かして、思い切り深呼吸をしましょう。脳もリフレッシュするので、仕事の効率アップにも役立ちます。

 

3.筋肉を動かす

男性に比べ、女性がむくみやすいのは筋肉が少ないためだといわれます。静脈やリンパには心臓のようなポンプがないため、むくみやすいことはお話しましたが、唯一、心臓の変わりになるのが、ふくらはぎの筋肉です。この筋肉が収縮することによって、余分な水分が回収されやすくなります。しかし、女性の場合、男性より筋肉量が少なく、皮膚も柔らかい。そのため、むくみやすいのです。日中は、時々ふくらはぎを刺激して、流れを促しましょう。お行儀が悪いことですが、お昼休みは机などに脚を乗せて休憩するのも効果的。さらに、日中は同じ姿勢をとらず、まめに身体を動かすようにしましょう。

 

4.水は一気にたくさん飲まない

水を飲むことは血流を促し、むくみ解消に良いといわれていますが、一気に飲むのは避けたほうが良さそうです。というのも、動脈から流れる血流が一気に増えても、それを回収する静脈やリンパの力が追いつかず、一時的にむくみやすくなることがあるからです。健康のために良いといわれているお水ですが、一気に飲まず、少量をまめに飲むのが正解。また、冷え防止のためには、冷たいお水より常温またはぬるま湯にして飲んだほうが良いでしょう。

 

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この記事を書いた人
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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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