朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『箸もてば』。
作家の石田千が四季折々の食べものをつづったエッセイ集です。「おべんとさげて」「空豆紀行」「土鍋の刻」「大根亭日乗」「レバニラ、たそがれ」など、心もからだもほどける一冊ををどうぞ。
『箸もてば』
著者:石田千
出版社:筑摩書房
今日も台所に立ち料理をし食べてまた明日がくる。この本を読んでいると、そんなふうに当たり前に続けてきたことが、何より大切に思えてくる。
夏、著者は冷やし中華を毎日のように作って飽きないという。リズミカルに鼻歌まじりでどんどんこしらえては「作るの二十分、食べるの五分。夏の昼は、あっけない」。昼寝から冷めれば、もう夜ごはん。「きょうも飲み食いだけ一生懸命だった」と思いつつ「からっと笑って、おなかいっぱい」——。
著者がいちばん機嫌のよい顔でいるのは台所。大のお気に入りは「朝の梅干し、ぼろぼろジーンズ、ビールジョッキに、もめんのとうふ、はしご酒と夜中のおうどん」。おいしい話から石田千さんの暮らしや心にうつる風景が浮かび上がってくる。そして、大好きなものをとことん愛して慈しむ姿に共感します。
『箸もてば』の「朝時間」は、豆を煮る喜びに満ちたこの一文を。「目がさめたら、おおきな空豆をゆでてみよう。そう思うだけで、明日が待ちどおしい」。
石田千さんの小説やエッセイ、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
*『窓辺のこと』
*『きなりの雲』
*『バスを待って』
*『屋上がえり』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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