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当たり前の日常がつづく幸せに気づく一冊『お布団はタイムマシーン』

 

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『お布団はタイムマシーン』

夫婦脚本家・小説家の木皿泉が日々の暮らしをつづったエッセイ集。木皿食堂シリーズ3作目、文庫新刊です。心が疲れたとき、もうしんどいと思ったとき、今日を乗り越える元気をくれる一冊です。芥川賞作家・藤野千夜氏との対談も収録しています。


お布団はタイムマシーン(木皿食堂3)
著者:木皿泉
出版社:双葉社

ダンナさんはよく過去の夢を見るという。車椅子の生活をしているけれど、夢の中では子どものときに遊んだ場所をトコトコ歩いている。「オレにとって、お布団はタイムマシーンや」。

なんて素敵な言葉だろう。懐かしい夢から戻ったときには、必ずそばに妻がいてくれる。そんな安心感も感じます。私のタイムマシーンはなんだろうと考える妻にとっても、やっぱりお布団がいちばん。お布団の中に入っていると、出会ったばかりの頃、横になったダンナさんが言ってくれたある言葉を思い出す——。

お布団という日常の暮らしなかに、かけがえのないものがある。寝床でのおしゃべりに、見事な夕焼けや早朝の空に、嵐の日に咲いた朝顔に、夕食のシメの甘酒に著者はしあわせを見つけだす。家に遊びに来たお客さんが帰った後に、ふたりでお茶を飲む満ち足りたひとときにも。

どうしようもできないこともあるけれど、ずっと変わらない大切なものがきっとあるから、今日を乗り越えてゆける。当たり前の日常が続いていくことの幸せをかみしめたくなるエッセイをどうぞ。

木皿泉さんの本、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
『二度寝で番茶』
『木皿食堂』
『6粒と半分のお米』
『昨夜のカレー、明日のパン』

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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