おはようございます。料理家のまきあやこです。
この連載『本と映画と朝ごはん。』では、朝におすすめの本や映画、そして、一緒に楽しみたい簡単朝ごはんレシピをお届けしています。
1年の始まり、1日のスタートにぴったり!エッセイ『ピンヒールははかない』
今年はじめての連載では、1年のスタートにも、1日のスタートにもぴったりな、佐久間裕美子さんのエッセイ『ピンヒールははかない』をご紹介します。
私にとっては、読むと「こころ」が伸び伸びと軽くなって、やる気がぐんと湧いてくる一冊。
大学卒業後アメリカに渡り、ライターとしてニューヨークで暮らす著者によるこのエッセイは、彼女自身と、彼女の人生を取り巻く、葛藤をしながらも、既成概念に囚われず、その人自身のやり方で、軽やかに、時に無骨に、人生に立ち向かっていく生き方や考え方にまつわる内容。
表題にもなっている「ピンヒールをはかない(I Don’t Wear Pumpus)」は、著者の友人が新しいビジネスを立ち上げる際に、名刺に書こうと考えた肩書きのアイディア。
「普通に肩書きを書いてもつまらない。自分を表現するフレーズを書こうと思って」と考えたフレーズの一つだそう。
このフレーズから著者は、この友人の「大変な状況でも、走り続けたいという宣言」だと感じたそう。
読みながら、一体自分ならば、どんな肩書きがぴったりするだろう、とついつい考えてしまいます。
自分の仕事や、ひいては生き方みたいなものを、わかりやすく、ちょっとウィットに飛んだ表現でしかも一言で表すのって…、自分が本当に大切にしていることを考え直すような、自分発見の楽しさがありませんか?
短めのエッセイが詰まった本なので、思い立った時に少しずつ読み進めやすいですよ。
体を休めたい朝に。「スパイス豆乳ティー」レシピ
さて、今回は、このエッセイのお供におすすめの、「スパイス豆乳ティー」のレシピをご紹介します。
この本の中でも、大きな怪我を経験した著者が「自分自身が精神的・肉体的にも『ウェル』である」ために自分自身をケアすることの大切さに触れられていますが、私も30歳のくらい頃にいろいろなストレスが重なって体調を壊してしまった時期がありました。
東洋医学的な考え方で自分の心身と向き合って、乗り越えた経験があって、今でもその頃に学んだことは自分を支える基礎になっています。
その時深く感じたことは「身体も人それぞれ全く違う」ということ。一般的に言われている食事法や健康法が本当に自分に合うのかは、自分の身体にしかわからないもの。
私はかなり内臓が弱くて、実は、特に朝起き抜けはあまりたくさん食べることができません。
そんな時は無理をせずに、自分の身体に耳を傾けて、あまりお腹が空かない日は「食べない」というのも私らしい選択です。
そんな日によく飲むのが豆乳入りのミルクティー。身体をあたためる紅茶とスパイスに、消化に負担の少ない豆乳を少し入れて飲むのが定番です。
<材料>
- (a)紅茶ティーバッグ 1つ
- (a)水 150cc
- 豆乳 100cc
- (a)生姜 2スライス程度
- シナモン、カルダモン、クローブ、ガラムマサラなど、お好みのスパイス
<作り方>
1) 小鍋に(a)を入れて紅茶を煮出します。(ホールスパイスを使う時にはこの時点でお鍋にスパイスを入れてください)
2) 紅茶が煮出せたら、豆乳を入れて沸騰直前まで温めたら完成。パウダーのスパイスを使う時には、このタイミングで混ぜます。
スパイスは、シナモン、カルダモン、クローブ、ガラムマサラなど、家にあるスパイスを自由に組み合わせてみてください。
ティーバッグではなく茶葉を使う場合は、茶こしなどでこしてください。
私は甘みを入れずに飲むのが好きですが、ハチミツやお砂糖などもお好みでどうぞ◎
この本は、昨年出会った大切なお友達が紹介をしてくれました。この本が好きだと紹介してくれた彼女を、この本を読み終えてますます大好きになりました。読み終えてすぐに、そして、また大好きなお友達に貸した本です。
私にとって、人生は、子供の頃に思っていたよりも、だいぶハードで(笑)、思い描いた通りには進んで行かず、いつだってハプニングや、悲しいお別れがつきまとう、平坦ではない道のりです。
だけれど、それでも。
ご機嫌に、尊敬できる仲間たちに囲まれながら、自分で考えた「よりよい」と思う方法で人生を切り開いていこうと、日々一生懸命に、そして楽しく愉快に進んでいます。
そんな「自分自身でいること」に正直で不器用なみなさんに、この本を手にとって頂けたら…。
時には孤独を感じるような日にも、この本の中にきっと新たな親友を見つけた気持ちになって勇気づけられると思います!
自分自身で考えることの、背中を、やさしく、心強く押してくれるような本作。
うまく行かないことはたくさん、想い通りにいかないことだってたくさんあるけれど、今日も前を向いていよう!なんなら、上を向いていよう!!っていう気持ちにさせてくれる一冊です。
ぜひ1年のスタートに、手にとって頂けたらな、と思います。