今日のカフェボンボンの本棚は、心に響く音楽を。
故郷の奄美大島で活動を続ける元ちとせのニューアルバム。ユーミンの「スラバヤ通りの妹へ」をはじめ「さとうきび畑」「リリー・マルレーン」などの名曲、寺山修司や谷川俊太郎作詞の歌を収録。平和への思いを込めた選曲とのびやかな歌声が心にしみる作品です。
『平和元年』
元ちとせ
レーベル:アリオラジャパン
奄美の島を心に思い、耳を澄ませる。深い森や透きとおる海を思わせる歌声が、時折、南の島に降り注ぐ雨のように激しくなる。
美しい調べの「ユエの流れ」は、出兵した恋人の帰りを待つ歌。ベトナムの古都の河に流す悲しみに、元ちとせの魂がこもる。あの人は来ないと切々と歌う時、そこに言霊が宿っている気がします。
アルバムの最後は「さとうきび畑」。デビュー前、19歳の時の貴重な歌声です。彼女の「ざわわ」はあっけらかんと明るくて、そのまま青い空に吸い込まれていくかのようです。
私は「スラバヤ通りの妹へ」がすごく好き。佐野史郎さんとのデュエット曲もイカしてます!
どの曲も愛しい人を思いながら聞きたくなる。
アルバムの題字は吉永小百合さんが書かれたそうです。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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