おはようございます。英語学習アドバイザーのかとうみゆきです。
このブログでは、私自身が実際に読んで、誰かにおすすめしたいと思った洋書をご紹介していきます。
さて、何かのきっかけで洋書を読み始めたけど、よく分からず途中で投げ出してしまった…そんな経験はありませんか?私も何冊かそんな本があります。
今日は、そんなことにならない洋書選びのヒントを4つに分けてご紹介します。
これなら最後まで読める!「挫折しない」洋書選びのヒント4つ
洋書を最後まで読むコツは、子どもの頃に慣れ親しんだ物語、好きで何度も絵本を読んだり読み聞かせてもらったことのあるお話、好きな映画の原作など、よく知っているお話を選ぶことです。
あらすじを知っているので、たとえ知らない単語や文法的に難しい部分があっても推測できます。ですから、お話についていけなくて投げ出してしまうことには絶対になりません。
私がこのように考える理由を、自分自身の読書体験を交えながらイチオシの本とともにご紹介します!
【1】よく知っているお話を選ぼう
Heidi: Spyri, Johanna, Leslie, Cecil, Hall, Eileen
特に難易度の高い単語はなく、中学、高校で学んだ語彙、文法知識で読めるものです。このお話はスイスのJohanna Spyri(ヨハンナ・スピリ)という女性によるもので、原書はドイツ語です。
今回ご紹介するのは、ドイツ語から英語に訳されたものです。
私が読んだものはリンクのバージョンですが、もっと新しいバージョンがたくさん出ています。翻訳者は違いますが、お求めやすい新しいものを購入されればよろしいかと思います。
ちなみに私はペーパーバックが好きで、このブログでは私が読んだペーパーバックをご紹介しています。Kindle版など電子書籍がお好みのかたはそちらでお読みくださいね。
日本では『アルプスの少女ハイジ』でお馴染みですね。私はハイジを子どもの頃にテレビアニメで見て、大好きなお話でした。そしてスイスに憧れを募らせていたものです。アニメを見たことがない人たちでもキャラクターとしてのハイジをご存知の方は多いのではないでしょうか。
物語を大人になってから、改めて読んでみるととても懐かしく、「そうそう、そうだった!」と思わずうれしくなったり、抜け落ちていた情報を改めて確認しながら、気が付くと英語を読んでいることを忘れて没頭していました。そしていつの間にか、もう自分の周りはピンク色の夕陽に染まるアルプスの山々や、辺り一面黄色のお花畑!お屋敷に幽霊が出ると大騒ぎになった場面では、思わず声を出して笑いながら読んでいました。
また、なぜおじいさんが山にこもってしまったのかなど、子どもの頃はあまり気に留めなかった大人の事情について、村人の一人が根掘り葉掘り聞き出そうとしている場面では、知っているお話なので私自身も「そういえば、どうしてだったの?」と前のめりになり、村人の一人のような当事者意識で聞いて(読んで)いる自分に気付き楽しくなりました。そんなふうに主体的に物語と関われるのも、知っているお話ならではですね。
そして、改めて大人目線で読むと「真の幸福とは何か?」について考えさせられたり、子どもの気持ちに寄り添う言葉がけの方法や接し方など、すぐに真似したい子育てのヒントも発見できます。
以上、私個人の読書体験をお話させていただきました。このように、共感したり懐かしくなったりと、主体的に関わりながら読めることは、挫折しないで読み進められる秘訣の一つだと思います。その条件を満たすのが、このようなよく知っているお話を選ぶことだと思います。
それでは、挫折しない洋書読みのためのヒントとして、さらに3つのコツをご紹介しますね。
【2】分かる単語が多い本を選ぼう(辞書を引くのは最小限に)
この公式ブログ第1回の記事で、洋書を読むときにはあまり辞書を引かないで読むことをお勧めしました。そのことについてもう少し詳しくお話しします。
まずは、本を選ぶ段階で、分からない単語が少ないものを選ぶことが大切です。
洋書を読むと、どうしても辞書を引かないと分からない単語はもちろんあります。前回ご紹介したロアルド・ダールの自伝 “GOING SOLO”のように軍事用語などが出てきた場合、辞書を引かなければ分からないことがほとんどですよね。
私の場合は、文脈から「これは軍人の階級を表してる言葉ね」と判断し、特にその階級に相当する日本語まで調べないまま読んだりしていますが、あらすじの理解に影響がなくても、きっちり調べないと気持ち悪い人は調べながら読んでいただけばいいと思います。
ただ、辞書を引くためにあまりに中断が多いと挫折につながりやすいので、まずはあらすじを理解し、ストーリーを楽しむことを優先するほうがいいでしょう。
【3】曖昧さに耐える力を身につけて、推測力を養おう
外国語を学ぶうえで身に付けたい態度として「曖昧さに耐える力」というのがあります。読んだり聞いたりするときにある程度分からなくても、あまり一語一句を気にせずに先を読み続ける(聞き続ける)ことができる力です。
また、推測力も必要です。context(文脈、前後関係、背景、状況)や、自身の知識や経験などあらゆる情報にもアクセスしながら推測することも意識しましょう。
私たちは、読んだり聞いたりするとき、言葉から理解するBottom-up処理 と、背景知識などの文脈から理解するTop-down処理を行っています。
私自身、熱心に英語学習に取り組むあまり、背景知識を活用することを何か悪いことのように感じ、語彙力や文法力、リスニング力を強化することばかりに一生懸命になって英語学習の限界を感じていた時期がありました。
理解のためにはTop-down処理も語彙力や文法力と同程度に大切です。どちらの処理もバランスよく活用してくださいね。
【4】多くの英語に触れよう
外国語習得理論に基づいて、読み方について少しご紹介しましたが、ご自分が一番ストレスのない読み方で、まずは楽しむことが一番です。どんな読み方をしても、英語力は付随的についてきます。
英語力をアップするために最も大切な鍵となるのは、いかに多くの英語に触れたかですから。他の学習法と組み合わせながら、まずは楽しくたくさん英語に触れる機会を作りましょう。
一語一語しっかり理解しながら深く味わいたい人は丹念に単語を調べながら。
物語の世界に没頭しストーリーを楽しみたい方は、まずは読み進めることを優先し、後で気になる単語を確認する。
日本版があるものは先に日本語を読んでおく。
…など、ご自分がいちばん楽しめるスタイルでどんどん読んでくださいね。
Enjoy reading!
それでは、次回もお楽しみに!