いよいよスタートした新年度。新社会人はもちろん、ベテランになりつつある人も、朝起きるのがつらい、寝坊しそうでいつもハラハラ…。もしそんな状態になっているなら、この春から朝型生活にチャレンジしてみませんか?
早起きの秘訣は光とリズム
私たちの体にはいくつもの生体時計が備わっていることは何度もご紹介してきましたが、その指揮を担う主時計は脳の中にあり、1日約25時間のリズムで動いています。地球が刻む1日24時間のリズムより約1時間長いわけです(個人差があります)。そのため、簡単に夜更かしはできるのに、朝早く起きるのは苦手という状態になりやすいのです。
気をつけないといけないのは、そのまま好き勝手な生活をしていると、昼夜逆転したり、各時計のリズムがバラバラになって、眠れない、起きられないといった問題だけでなく、体調を崩す原因になります。
主時計を24時間に調整し、他の生体時計のリズムと同調させるには、太陽の光と規則正しい生活がカギになります。朝起きた時に太陽の光を浴びると、体内時計は1時間程度前にズレ、24時間に調整されます。朝型生活を習慣にするには、この特性を使い、起きたら太陽の光をしっかり浴びることが大切です。
太陽の光の代わりに強い照明(まぶしいと感じる明るさ)でも代用できますが、いずれも15分は光を浴びるようにすること。そして、最低2週間は起きる時刻を変えず、規則正しい生活を心がけましょう。
ポイントは週末もなるべく平日と同じ時刻に起きること。週末に起床時刻を変えてしまうと体内時計が乱れ、月曜日の朝、起きるのがつらくなる原因になるので要注意!
ずっと夜更かしをしてきた人は早く眠ろうとしても眠りにくく、体温のリズムも夜型(体温が上がるのが遅く、お昼くらいから調子が良くなる)になっている可能性もあり、朝起きるのはかなり厳しいかもしれません。
目覚まし時計を止めるのが精一杯で、カーテンを開けたり照明をつけることさえできない人もいるでしょう。そんな人は、カーテンを開けっぱなしで眠る、リモコンで点灯する照明を使う、コンセントタイマーを使って起きる時刻にスポット照明が点灯するようにセットするなど、起きた時に明るい環境になるような工夫を。
とはいっても、寝坊したら大変なので、できればはじめは誰かに起こしてもらいながら続けてみましょう。
食事抜きや夜の明るい光は厳禁!
朝の光以外にも時計のリズムを整えるのに役立つ方法が3つあります。
1.朝食
夜型の人は朝食を抜くことが多いようですが、胃腸にも生体時計が備わっていて、朝食は体を朝モードに切り替え、覚醒水準を上げると言われているので、軽くても良いので食べるようにしましょう。
2.日中の過ごし方
夜型から朝型にすると眠気がとれず、ついうとうとしたり、活動量が減りがちになります。夜眠れる人はお昼に15分程度仮眠しても良いのですが、夜早い時間には眠れないという人は、日中しっかり起きて活動し、睡眠欲求を高めておくことが大切。
昼寝や夕方寝は避け、なるべく活動的に過ごしましょう。余程、体内時計が乱れていない限り、数日この調子で過ごしていれば、疲れがたまってきて早く眠れるようになるはず。
3.夜の光
朝の光は体内時計を1時間早くしてくれますが、夜の光は体内時計を長くしてしまうので、夜になったら明かりを暗めにすることが大切。
ただし、だからといって無理に眠ろうとしないこと。はじめは早く眠ろうと思ってもなかなか眠くならない可能性があります。そこで無理に眠ろうとするとそれがストレスになってますます眠れなくなってしまうことがあるので、夜はゆったり過ごし、早く眠れなくても焦らないこと。
注)これらを試しても眠れない、朝起きられない、日中、調子が良くないといった状態が2週間以上続く場合は、一度専門医に相談したほうが良いかもしれません。