人は適切な体温を保つ為に汗をかきます。かいた直後の汗は無臭でも、放置すると菌が繁殖して臭いの原因になります。そんな時に、消臭剤を使い過ぎてしまうと肌表面に必要な「皮膚常在菌」がいなくなり、悪臭の元となる菌が繁殖して、不快な臭いの原因になります。消臭剤をあまり使わず、これから紹介する対策を行いながら、汗の臭いを予防しましょう。
寝起きの汗対策
(1)汗を放置しない
夏は寝る前に入浴しても、朝にはたくさんの汗をかいています。汗をそのまま放置することは臭いの原因になるので、時間があればシャワーを浴びるようにしましょう。時間が無い時には、汗拭きシートなどで、身体の汗を拭きとるだけでも効果があります。
(2)体温を下げて汗を減らす
人間の身体は、汗が皮膚の上で蒸発することで、体温が下がるという仕組みになっています。汗を完全にふき取ってしまうと、肌表面の水分が不足し、汗が蒸発しにくくなるため体温調整が難しくなります。湿ったおしぼりなどで水分を肌に残した状態で拭くのが良いでしょう。その時にゴシゴシこすらず軽く押さえるようにして肌表面に湿り気を残す程度に拭くのがコツです。
また、大きな動脈が通っている首回り、わきの下、手首などを保冷剤で冷やすと、冷やされた血液が全身を回り、体温を低下させて汗が減少します。
夏でも湯船につかりましょう
(1)汗腺を目覚めさせる
汗を出す汗腺は全身に存在しますが、活動している汗腺はその半数程度です。働いている汗腺が多いと汗が小粒で蒸発しやすく、体もクールダウンしやすくなります。ところが、汗腺がうまく働かないと汗は大粒になり、蒸発しにくく体温調整がうまくいきません。
夏本番前に休眠していた汗腺を目覚めさせ、蒸発しやすい良質な汗をかいて、効率よくクールダウンしましょう。
(2)汗腺の目覚めには手足の温浴
汗腺を目覚めさせる最も効果的な入浴法は、手足の温浴です。汗腺の多い膝下とひじから先を43℃程度のお湯に10分ほど浸す方法です。肌の弱い人は少しぬるめのお湯でも構いません。浴槽の中にいすを置き、座った状態になります。その後、いすを外したら水を足してお湯の温度を下げたら、半身浴へ移行をします。
最も暑くなる夏本番になる2週間前ぐらいまで続ければ、より少ない汗で体温調節ができる体が夏前にはできるはずです。
臭い予防の為の服装
通気性の良いふんわりした服が良いでしょう。体にフィットして首や手首がつまっている様な服だと、汗が蒸発せずに中にこもり、臭いの原因になります。風通しの良いものならば汗をかいてもすぐに乾きます。
また、麻やコットン素材のものは、汗の吸収性や通気性が良いのでオススメです。最近は消臭性と冷感性を重視したインナーなどの開発も進んでいるので、ニーズに応えたものも探しやすいでしょう。また、服を洗濯してもすぐに汗臭くなってしまうという方は、 体臭が原因なのではなく雑菌が原因です。それを防ぐ為には、煮洗いや酸素系漂白剤でのお湯洗いをオススメします。